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2019.05.13

4年目医師の本音「医療って何だろう−脳死の現場に立ち会ってそう自問自答しました」昭和大学藤が丘病院呼吸器内科・賀嶋さおりさん

■あなたの知らない若手社員のホンネ~昭和大学藤が丘病院呼吸器内科/賀嶋さおりさん(27才、医師免許取得4年目)~

前編はこちら

様々な現場で奮闘する若手社員を描くこの企画。今回は若手女医を紹介する。彼女が所属する呼吸器内科は、肺に関する完治しづらい疾患を専門にする。厳しい医療現場である。中間管理職も若手社員も考えさせられ、勇気付けられる物語が展開する。

シリーズ55回、昭和大学藤が丘病院呼吸器内科医師 賀嶋さおりさん(27・医師免許取得4年目)。6年間で医学部を卒業。医師国家試験に合格し医師免許を取得すると、2年以上の臨床研修が義務付けられ、その期間を「研修医」と呼ぶ。彼女は平塚市内の総合病院で2年間、研修医を経験。その後、呼吸器内科の道を選んだ。

話は研修医時代、救急科での研修中に、バイク事故を起こした十代の男性が救急車で運び込まれ、出血性ショックにより処置室で心肺停止。胸骨圧迫や輸血等で心臓は動き出すがその間、脳への酸素の供給が滞り、脳死状態に陥る。

脳死の現場に立ち会う

体格のいい十代の男性で、処置室では「痛いよぉ!」と訴えていたのですが、急に心臓が止まってしまった。胸骨圧迫や輸血等で心臓は動き出しましたがその間、脳に酸素が行かず脳死状態。その子は免許書の裏にある臓器提供の同意にサインをしていました。ご家族もバイクに親しんでいて、事故で命を落とすこともあるかもしれないと理解していたのでしょう。親御さんは「臓器提供をお願いします」と、同意書にサインをしてくれました。

臓器提供となり、すぐにその医療に関わる先生たちが病院に来ました。そして私と指導の先生は手術室で、その子の人工呼吸器を止めました。脳死状態では自ら呼吸ができません。呼吸器を止めれば、目の前で心電図は水平になります。

人を殺した……。法的に問題はないのですが、複雑な思いになりました。一方でリストには肝臓、腎臓、角膜等々、名前こそありませんが、臓器が提供される方々の情報が、ズラッと書かれている。

この男の子の命を私は助けることができなかったけど、このリストにある十数人の患者さんの命を、助けることができるに違いない。その子の臓器はヘリコプターも使い、待っている患者さんの元に届けられました。

医療ってなんだろう――この答えがないかもしれないことを私は一生、自問自答していくことでしょう。

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