
近年、働く世代が多様化する一方、職場での若手、中堅、シニア層の摩擦が増えている。
果たして、ジェネレーションギャップは「業務を進める上でマイナス」なのだろうか。
今回はサイコム・ブレインズが実施した『職場におけるジェネレーションギャップと無意識の偏見に関する調査』の結果を紹介しよう。
職場の半数以上「世代間の違いが仕事に悪影響を与える」
調査の結果、職場の半数以上(52%)が、「ジェネレーションギャップが業務を進める上でマイナスに働いている」と感じている事が明らかになった。
回答を年代別に見ると、20代(55%)、30代(44%)、40代(60%)、50代(51%)、60代(38%)となっている。
「最もマイナスに働いているジェネレーションギャップ」は世代間で認識に差
マイナスになっているジェネレーションギャップで最も多く挙げられたものを年代別に見ると、年代ごとに違うことが浮き彫りとなった。
20代:思考の仕方
30代:仕事に取り組む姿勢、思考の仕方
40代:コミュニケーションの取り方や手段
50代:コミュニケーションの取り方や手段
60代:仕事に取り組む姿勢
若手からの主な自由回答
「伝統だから、皆がやっているから、社会人として常識だろ、と思わずに何故当たり前なのかを考えられ、共有できるようになることを願っています。」(20代)
「50代上司から『普通〇〇だよね』という発言がたびたびあるが、普通そうなのか?」(30代)
など、若い世代が上の世代の「当たり前」「普通」「常識」に疑問を持っている事が垣間見えた。
一方で、中堅、シニア世代からは
「年代が上がるほど、直接電話で業務連絡をする傾向にあるけれども、若い世代はとても電話や直接対話での業務連絡を嫌がる傾向があるためお互いストレスを感じている」(40代)
「『やってみよう』という気概や他者を巻き込む積極性の違い」(40代)
「学習や成長への意欲」(50代)
といった意見が寄せられ、若手とのコミュニケーションの取り方や思考の仕方に違和感を感じていることがわかる。
同調査を監修した早稲田大学教授の長内厚氏は
「このような認識のギャップは近年になって生まれたというより、これまでも存在していたが、終身雇用と年功序列の雇用環境のなかで若手が上に従わざるを得なかったということかもしれません。急激な技術の進化や、グローバル化による不確実性の高い現代の環境では多様性や柔軟性がもとめられるので、世代間ギャップが顕在化したことは、うまく多様な意見を戦略に取り込むことが出来ればむしろ企業の強みになります。企業は多様性を摩擦やストレスというネガティブな要素にせず、企業の強味にすべく活用できるよう、企業文化を見直し、多様性をマネジメントできる人材育成をする必要があります」
と解説している。
調査概要
調査期間:2019年2月8日~2月28日
対象:社会人の男女167人
方法:インターネット
関連情報/https://www.cicombrains.com/
構成/ino
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