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2019.05.12

二俣川〜新宿間が44分!神奈川県央・県南住民の新しい足となる相鉄新横浜線「12000系」試乗レポート

2019年11月30日に開業を控えた「相鉄新横浜線」を経由して、JR線と相互直通運転を開始する相模鉄道。先日開業日の発表と共にJR線乗り入れ対応車である「12000系」が報道陣に公開、試乗会が開催され、一気に開業ムードが高まってきている。

「相鉄新横浜線」は都心方面へ直接乗り入れをしていない相鉄にとっては「悲願」ともいえるプロジェクト。この路線が開業すれば相鉄沿線から乗り換えなしで都心方面へ直接アクセスすることができ、現在大手私鉄各社が力を入れている「選ばれる沿線」づくりにも大きな効果が期待される。

新しく登場したJR向け乗り入れ車両「12000系」(右)と2018年から活躍する東急向け乗り入れ車両「20000系」(左)

今回の12000系はJR線乗り入れ向けの車両として10両編成で登場。昨年2018年にはデザインのよく似た「20000系」が先行してデビューしているが、こちらは同じく相鉄新横浜線を経由し、新駅となる羽沢横浜国大駅から「東急新横浜線」を通り、東急線に相互直通する列車に使用される。20000系はすでに相鉄線内で運行され実際に乗車することも可能で12000系も相鉄新横浜線の開業を待たずして先行デビューしている。

イメージのよく似た2車両。12000系の前面は日本古来の能面をモチーフにした

都心直通車両の12000系と20000系のデザインはよく似ており、お互いに相鉄の新しいプロジェクトである「デザインブランドアッププロジェクト」の中で誕生した「YOKOHAMA NAVY BULE」をまとった深青のカラーリングが特徴。「都心に乗り入れた際に相鉄を代表する広告塔に車両自身がなってほしい」という思いが込められた二つの新車両にかける相鉄の思いは大きい。その結果がみを結んでか20000系は2018年グッドデザイン賞受賞した。「YOKOHAMA NAVY BULE」塗装は現行車にもリニューアル工事と共に施されて、将来的にはこのカラーリングの車両が大数を占める予定だ。

乗り入れ先の都心部で相鉄のブランドイメージをアピールするべく徹底的にデザインにこだわった

二俣川〜新宿間が約44分に!

さて、「相鉄新横浜線」が開業すると一体どのような変化が生まれるのか。JR乗り入れの開業がすぐそこまでに迫っている今、少し概要をおさらいしてみよう。現在、相模鉄道は横浜と海老名を結ぶ本線と二俣川から分かれて湘南台を結ぶいずみ野線が運行されている。横浜ではJRをはじめ、東急東横線や京急線に乗り換えることができ、海老名では小田急小田原線、湘南台では小田急江ノ島線、横浜市営地下鉄に乗り換えることができる。現状では相鉄沿線に住む人々が都心にアクセスする場合は、これら接続駅で乗り換えが必要でそれを解消するのがこの新線開業だ。

開業日発表には相模鉄道 滝澤 秀之 社長(左)とJR東日本 廣川 隆 横浜支社長ががっちりと握手!

相鉄新横浜戦に新設される羽沢横浜国大駅

天然光が降り注ぐエントランス

JR線に乗り入れる列車は、相鉄の西谷駅から新線に入り新駅の羽沢横浜国大駅を経由。そして現在貨物線として使われているJRの路線を経由してJR横須賀線に合流し、その後湘南新宿ラインと同じ経由で都心方面に向かう。このルートが開業すると、二俣川~新宿の所要時間が現在約59分で乗り換え一回のところ、約44分で乗り換えなしと大幅に利便性が向上する。また、JR乗り入れに遅れること2022年度下期には東急直通運転も開始され、こちらも二俣川~目黒間の所要時間が現在約59分かかるものが約38分になるなど、こちらも速達化が図られる。JR線との直通列車は朝ラッシュ時間帯で一時間に4本程度、日中は2~3本が設定される見込みだ。一方の東急直通は現在のところ、朝ラッシュ時間帯で10~14本、日中で4~6本程度の運転本数が予定されている。本数だけを見るとかなり差があるが、これは東急側の接続駅である日吉駅から先が、東横線と目黒線が路線別に並行する構造になっており、線路容量が大きいことも起因しているだろう。また、JR線の乗り入れ先は横須賀線だが、この路線には現在でも横須賀線、湘南新宿ライン、大崎から先はさらに埼京線が乗り入れておりダイヤに余裕が少ない。

東急新横浜線の新横浜駅開業で新幹線アクセスが便利になる!

東急線との乗り入れについては都心へのダイレクトアクセスのほか、新規開業する経由路線「東急新横浜線」に設置される新横浜駅の存在も大きい。これにより東海道新幹線への接続も飛躍的向上することが予想される。

羽沢横浜国大駅の都心方にはJR・東急の分岐点が見える
外側がJRで内側が東急につながる

相互直通運転の重要駅ながら2線構造の羽沢横浜国大駅
異常時の対応力が少々気になる

相鉄JR直通時の運賃に関しては現行の横浜で乗り換えるルートや元々小田急で都心に直通ができる湘南台や海老名からはこの新線経由だと割高になる。さらに海老名、湘南台起点で考えると運転本数の面でも既存の経路から水をあけられていると言わざるを得ない。また、相鉄線内で完結する西谷〜羽沢横浜国大駅間についても、他の相鉄の基本運賃に加えて普通旅客運賃で30円が加算される。これは新線建設に関わった費用を利用者に料金として負担させるためだ。

速さだけではない。車両・沿線のブラッシュアップで相鉄が変わる!

もちろん相鉄としても、競争力として条件が不利な箇所からの利用者も含めてただ単純に都心直通客のシェアを拡大したいというわけではなく、先に挙げた「選ばれる沿線」になることの重要度を優先している。それが今回の新型車両の導入であったり、現在二俣川駅などで行われている駅の大幅改修、デザイン性の高い駅舎の採用など、「相鉄沿線」全体のブラッシュアップだ。

12000系の車内。透明感ある素材を多用し開放感がある20000系に比べて車内が若干広い

立ち座りがしやすいように座面が若干高い「ユニバーサルデザインシート」
20000系では廃止された荷棚がこの箇所にも復活した

首都圏を走るJR車両とレイアウトがよく似た運転台

いずみ野線の途中駅である南万騎が原駅では駅を中心とした街づくりプロジェクトが進行中。若年層から高齢者までが住みよい街となるようにサービス付き高齢者向け住宅やデイサービスセンター、スーパーマーケット、認可保育園だけでなく、特別なケアが必要となる病児保育園を開所し、街の中心にはパブリックスペース「みなまきみんなのひろば」がある。こちらでは住民や周囲施設などが一体となり、季節のイベントが行われている。元々相鉄沿線に住んでいる家庭を外部に流失させない工夫はもちろん、新たに家庭を築く若年層が引っ越ししてきたくなる街、子育てのしやすい街を目指し、相鉄沿線は進化し続けている。

メディア向け試乗会には沿線住民も参加。このような家族の光景が多くみられる沿線を相鉄は目指す

ベビーカーなどを置けるフリースペースは各車両に設置

「横浜到着前のちょっとしたおめかしに」と設置されてきた伝統の小鏡。12000系では「都心到着前の……」となる

車両をイメージしたオリジナルランドセルも販売。相鉄を愛してもらう工夫だ

「相鉄を知ってほしい」「相鉄を選んでほしい」。そんな単語が繰り返し関係者から聞かれる。相鉄が進めてきた大プロジェクトの広告塔として12000系、そして20000系が駆け抜ける「相鉄新横浜線」の開業が今から楽しみだ。相鉄とJRの相互直通運転は2019年11月30日開業を、相鉄と東急の相互直通運転は2022年度下期開業を予定している。

取材・文/村上悠太

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