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楽天が導入する携帯電話のクラウドネットワークは世界でどう評価されている?

2019.04.30

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線を取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は楽天のクラウドネットワークについて議論します。

楽天のいうクラウドネットワークとは?

房野氏:三木谷社長が「MWC19 バルセロナ」で、基調講演もしていました。みなさん、どう思われましたか?

房野氏

石野氏:楽天は初出展でした。三木谷さんが基調講演をやり、記者会見もやり、従来のようなプライベートイベント的な内容とは違うなと感じました。

石野氏

石川氏:楽天にはだいぶお世話になりました。

石川氏

石野氏:今回カンプ・ノウ(FCバルセロナが使用しているサッカースタジアム)の近くに泊まったんですけど、周りのお店はRakuten、Rakuten、Rakuten……。Rakutenのロゴの入ったユニフォームばっかり売っていて。

法林氏:そりゃそうだ、メインスポンサーだから。

法林氏

石野氏:そうなんですけど、せっかくバルセロナまで来たのに二子玉川周辺に泊まっているみたいな気分でしたよ。

法林氏:ちょっと違う。ニコタマ(二子玉川のこと)はそんなにRakutenじゃない。

石野氏:じゃあ、楽天クリムゾンハウスの中に泊まっているような気分でした。

法林氏:そんなこと今さらだよ。マンチェスター・ユナイテッドFCのユニフォームの胸には昔、「SHARP」って書いてあったんだから。

石川氏:楽天の社員がバルセロナで食事してクレジットカードを渡すと、みんな「おお、Rakutenか!」って言って、でも何の会社かは知らないみたいな感じだったと。

石野氏:三木谷さんの基調講演は一発目に「FCバルセロナのスポンサーだけじゃなくて、ちゃんと事業もやってます」と紹介して笑いを取っていたんですけど、ヨーロッパの人から見ると、あ、そうなのかって感じだと思う(笑)

法林氏:ヨーロッパでも事業はしているけど……まだこれからだね。

石野氏:買収した動画配信サービスか何かを「Rakuten TV」という名前に変えたんですよね。

石川氏:楽天は今回、クラウド技術を非常にアピールしていた。自分たちは仮想化技術で世界初のキャリアになるという話をして、それで注目を浴びていた。実際、基調講演でも話したし、ブースでもそこをアピールしていた。

 これってどうなのか、楽天の言うことを信じていいのかという疑問もあって、いろんな人に話を聞いたんですよ。そうしたら、業界のトレンドは間違いなく仮想化の方向に行くということでした。ただ、既存のキャリアからすると、信頼性はどうなんだろうか、キャリアの品質に耐えられるんだろうかというところで、若干躊躇していると言っていました。自分は聞けなかったんだけど、ソフトバンクの決算会見で(CTOの)宮川さんが「ソフトバンクも仮想化には挑戦したけれど、仮想化しなくていい場所もある」と答えたらしいですよね。

石野氏:もうちょっと正確にいうと「コアネットワークはすでに仮想化しているんだけど、楽天は基地局周りも含めてクラウド化している。そこはソフトバンクも検討したけれど、専用設備の方が性能がいいから」ということだった。

房野氏:少し難しいところなので、かみ砕いて教えていただけますか?

法林氏:楽天が何をしようとしているかというと、汎用のサーバ、つまりインテルサーバを持ってきて、そこにソフトウェアを載せてサービスを運用しようとしている。それに対して既存のキャリアは何をしているかというと、専用に作られた高いハードウェアを入れている。

石野氏:エリクソンなりノキアなりから買っている。

法林氏:専用のものを使って運用するので安定はしている。汎用品の場合、クラッシュしたらどうするかという心配があるので、たくさん入れて冗長性を持たせてダウンしないようにしたり、何かトラブルがあっても対処できるようにするという感じ。いずれは仮想化の方向に行く。僕も違うところで聞いたけど、標準化はすでに着手しているけれど、そんなに簡単に決まるものではない。まだ手探り状態だということでした。特に無線アクセス網については、本当にメリットがあるかどうかも分からない部分があるので、みんな、今勉強中で、最終的に標準化の中に入れるか入れないかという話になっている。

石野氏:ドコモの(社長の)吉澤さんの言い方だと「やろうと思ってもすでに(専用機器が)置いてあるしな」という感じ。そこを一気に仮想化するメリットは現段階でないと。

法林氏:5Gの話にも絡むんだけど、仮想化すると、帯域の切り売り(ネットワークスライシング)がしやすくなる。どういうことかというと、「この地域はこの3時間くらい、バカみたいにデータを使うので、その間だけ帯域を貸します」っていうことができる。これを既存のネットワークでやろうとすると、今のカウントフリーじゃないけれど、ネットワーク設備側にいろんな仕組みを用意して、通信を監視して……ということが必要になってかなり難かしくて、ゼロからネットワークを構築すれば、みんな見ているんですよ。ただ、それをやりたいけれど、安定して動くのかとか、もしトラブルがあったらどうするとか、既存のネットワークをどうするとか、5Gのスタンドアローン、ノンスタンドアローンの件も絡むので、そんなに簡単な話ではない。逆に後発である楽天だからこそやりやすい。将来それができるように、4Gの段階でも5Gで可能になるスライシングとかをしやすくなるように、先に仮想化のネットワークを作っておきましょうという考え方です。

石野氏:あと、汎用サーバは安い。極端な言い方だけど、アキバに行ってハードを買ってくる、そんな手軽な感じ(笑)。

法林氏:アキバでは買えない(笑)。 もうちょっとがんばらないと。

石野氏:でもイメージとしては、PCをもっと高性能にしたようなもの。

石川氏:楽天市場のサービスを提供しているサーバがあるデータセンターに、携帯電話事業用のサーバを置くという話をしている。楽天からすると、今まで買っているサーバと同じものが使えるので安くなる。あと現地で聞いたんですけど、クアルコムのチップが載る、独自開発の5Gの小型の基地局。あれって別の高額な基地局を買ってきて、全部分解して、どのメーカーが部品を納入しているかを調べて、そのメーカー1社、1社と話をして、ウチで作りたいけどなんとかしてくれと交渉して安い値段で集めて、楽天ブランドの基地局を作ったんだそうです。そうしたら10分の1くらいの値段になったと。結構いろいろやっているんですよ。で、みんながサンフランシスコ(Galaxy UNPACKED 2019)に行っている間に、自分は楽天のネットワークラボ(楽天クラウドイノベーションラボ)の取材に行ったんですけど……。

石野氏:記者が多すぎてキャパオーバーだったと聞きましたが。

石川氏:そうそう。そうしたら外国人がたくさんいて、インド人が目立つんです。

石野氏:タレック・アミンさん(楽天モバイルネットワークCTO)が引き連れてきたと。日本人の要求の高さを知っているかなぁ、大丈夫かなぁ。

房野氏:MWCの記者会見では「まだやることがある」とおっしゃっていましたが。

石川氏:外国人がたくさんいたと。日本人の技術者に話を聞いたら、英語を勉強していて良かったと言っていました。

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