
会社の研修やビジネスセミナーでは、できるだけ多くのことを効果的に習得したいものだ。そこで今回は、セミナーや研修の受講中に、より効果的にその内容を習得し、周囲より抜きん出るための方法を、研修講師に聞いて紹介する。
研修中の基本的な心構え
まずは、研修中の基本的な心構えから。中小企業向けにWeb・SNS活用コンサルティングやセミナー講師を行っている永友一朗さんは次のようにアドバイスする。
「研修を受けるに際し、最も大切なことは、『当たり前だと思えることでも、流さず聞く』ということです。様々なキャリア・属性の受講者がいる研修では、講師は基本的な事項から話を始めることも多いです。また、スポーツや勉強でも『基礎が大事』ということは多くの方が異存ないと思いますが、基礎的な講義内容に、物事の本質が隠れていることが多いと思います。『ああ、それはもう知っている』『この話は別の研修でも聞いたな』など“流す”ように受講していると、むしろ一番大事なことを習得できないおそれがあります」
習得度が高まり周囲より抜きん出る研修の受け方
研修中は、当たり前だと思えることでも、流さず聞き、研修内容をあますところなく習得したい。そこで永友さんに、より習得度が高まり、周囲より抜きん出る研修の受け方を教えてもらった。
1.会場に早めに入る
「講師は会場に早めに入り、パソコン設置など準備をしています。慣れた講師だと、こういった準備時間にも質問に答えてくれるでしょう。つまり研修開始前の時間は、講師を独り占めにし、質問できるチャンスなのです」
2.講師に自己紹介する
「1にも通じることですが、研修開始前に講師に自己紹介をしておくとよいでしょう。講師は研修中に話の理解を深めていただくために『たとえ話』をすることも多いですが、その際、あなたの置かれた立場や業種に応じたたとえ話をしてくれる可能性があります」
3.近くの人と話をする
「研修は、他社や他部署の人と触れ合うチャンスでもあります。いきなり名刺交換をするのではなく、『私は初めて参加したのですが、よく来られるのですか?』『けっこう難しいワークでしたね~』など雑談するだけでも良いでしょう。思わぬつながりが生まれるかもしれません」
4.「必ず」質問するつもりで聞く
「課題意識を持って聞くのと、受け身で聞くのでは、理解の深さがまったく違ってきます。なお、質疑応答の時間に他の受講者の前で聞くのが恥ずかしければ、終了後に直接聞いてもよいでしょう。良心的な講師は、終了後も質問対応してくれます」
5.聞いたことは「必ず」実践してみる
「研修を受けて最も無意味なのは、終了後に何も振り返らず、実践もせず、資料もすぐ捨ててしまうことです。自発的ではなく、会社の命令で参加せざるを得なかった研修かもしれませんが、講師は、受講者が良い成果を出せるよう、研修を組み立てているはず。その内容を実践しなければ、あなたの貴重な時間がまったく無駄になってしまいます」
6.興味がある分野は複数の講師の研修に参加してみる
「講師によってバックボーンが様々ですし、得意な業種や得意なテーマが異なります。特定のノウハウについての見解が正反対であることもあります。興味のある分野は、多面的に情報収集をして、知識の精度を高めるとよいでしょう」
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