
気軽に新しい出会いができるマッチングアプリ……といいつつ、実際はなかなかデートまでたどり着かないケースが多い。理由は、デートのセッティングをするまでメールのやりとりが続かないこと。その面倒なデートの約束成立までのやりとりをバーンと省いたマッチングアプリがDine(ダイン)だ。「デートにコミットする」をコンセプトにし、ユーザーは気に入った人を見つけたら、たった2通のメールでレストランの予約までが完了する。デート直結型“デーティングアプリ”と呼ばれる所以だ。
そのDineが運営する会員制スナックSnack Dineが東京・恵比寿にオープンした。
完全会員制。会員はアプリDineデータから“選出”される
それにしても平成が終わろうという今なぜ、昭和の香り漂う“スナック”なのか。
「2017年ごろからスナックをテーマにした書籍や記事がたくさん出ているんですよね。このスナックブームのわけは、サードプレイスがほしい人たちの需要だと思います」と話すのは、Dineを開発した上條景介さん(株式会社Mrk&co CEO)。
自宅でもない、職場でもない、もうひとつの自分の場所、サードプレイス。上條さんはスナックを「酒より会話が重要」なバーと位置づけ、Dine向けのスナックを発案した。アプリDineは「人の本当の魅力は会ってみないとわからない」という考えから生まれ、それはつまり「何回もメールのやりとりをしているより、とにかく1回会ったほうが話が早い」ということだが、Snack Dineはそれを体現するリアル店舗といえる。
Snack DineはアプリDineと連動した完全会員制だ。
現在、Dineのユーザー会員は30万人弱。Snack Dineの会員になりたい人は、アプリから申請をする。しかしだれでも会員になれるわけではない。なにせスナックの席数は21しかないのだ。
「普通のスナックにはママがいますよね。ママの目利きによってお客さんは選別され、それによってお客さんにとって心地いいコミュニティが維持されてきました。そのママの役目を、Snack Dineはアプリに登録されたデータで行います。ユーザーのプロフィールや過去の行動履歴から、Snack Dineにふさわしい方を選出して会員権を付与させていただきます」(上條さん)
ふさわしい方というのは具体的にどういう方なのか? 単純にDineアプリによるデート回数の多い人は“人気が高い人”と見なされ“ふさわしい”と判断される。反対に、過去にDineでセッティングしたデートで、相手からクレームの通報を受けている人は当然ふさわしくない。ほかにも選出基準はあるだろうが、とにかく選出のカギを握るのがアプリに蓄積された会員データというところが、IT系の人が発案したスナックらしい。