
働き方改革関連法の一部が2019年4月に施行され、残業時間の上限規制や年5日の年次有給休暇取得が企業に義務づけられる。
多くの企業が今以上に従業員の残業抑制を迫られることになり、国全体での長時間労働の是正への取り組みに注目が集まっている中、「キャリコネ」の給与明細投稿をもとに、業界別の残業時間ランキングを算出した。
残業の少ない業界ランキング
10時間台から40時間台まで、業界により平均残業時間はまちまちだった。トップ10には、繊維製品、ガラス・土石製品、石油石炭製品など、資源系の業界が多くランクイン。一方で、建設・不動産業界、資源分野のなかでもパルプ・紙、鉄鋼といった業界では月の平均残業時間が35時間以上となっている。
1位:空運業界(残業10.3時間/月)
「休日出勤はありません。残業は何かしらフライト中に起こった場合に、報告書の起票などによって発生することもあります。そのときも勤務時間が延長することを申請するので、サービス残業扱いではありません。有休申請もPCで申請・管理がされるので、年末年始などを除けば非常に取得しやすいです」
(全日本空輸/その他職種/20代前半女性/年収380万円/2013年度)
2位:繊維製品業界(残業21.2時間/月)
「残業、休日出勤はほとんどなし。繁忙期は連勤になるが、シフトを作る店長次第です。プライベートと仕事のバランスもよく、家に持って帰って仕事をすることをよく思っていない上司も多かったので、職場で時間を貰って資料作りなどしていました」
(ワールドストアパートナーズ/店長/30代前半女性/年収320万円/2017年度)
3位:ガラス・土石製品業界(残業24.7時間/月)
「ここ数年、残業を減らす方針から、直属の上司含め部全体で残業させないようにしている。残業していると早く帰れと怒られるので、業務時間中に効率的に仕事をこなすしかない。休日出勤は業務上特別な場合にしか許可されない。休日は工場単位で出勤日と休日が決められており、土日祝日を含む年間120日くらいが休日に割り当てられている」
(AGC/プラント施工管理/30代後半男性/年収900万円/2012年度)
3位:石油・石炭製品業界(残業24.7時間/月)
「残業に関しては月20時間から40時間くらい。たまに夜遅い時があっても20時、21時くらいには帰ることができる。平均すれば毎日1、2時間残業しているくらいにはなると考えられる。休日出勤は一度もない」
(出光興産/研究開発/20代前半男性/年収500万円/2015年度)
5位:リース・消費者金融・クレカ・信販(残業25.3時間/月)
「残業時間については厳しく管理されている。月間30時間以内が目安となる。業務量は決して少なくないため限られた時間で仕事をこなす必要がある。休日出勤は営業の場合、支店によるが自由度は高い。加盟店のフェアなどに合わせ出勤する事もあるが月1回程度。振替休日を取得できるため平日に休みたい人にはいいかもしれない」
(オリエントコーポレーション/法人営業/20代後半男性/年収400万円/2016年度)