
Image: アップル
米アップルのワイヤレス充電マット「AirPower」の発売が中止された。
意欲的な設計を取り入れたAirPowerの開発には、いくつものチャレンジが存在していた。
アップル肝いりのAirPowerはなぜ、世に出なかったのだろうか。
新設計のワイヤレス充電マット
スマートフォンやモバイルバッテリーを充電するワイヤレス充電マットは、さまざまなメーカーから多数の製品が投入されている。これは「Qi(チー)」などの規格にもとづき、ワイヤレス充電マットと充電機器の間で「電磁誘導」を利用して、電力をやり取りする仕組みだ。
AirPowerが革新的だったのは、充電マットのどの場所に、どの機器をおいても充電できる点だ。充電する機器は「iPhone」だけでなく「Apple Watch」や「AirPods」にも対応しているしまたどの機器をどの場所に置いてもよい。
通常のワイヤレス充電マットは機器の置き場所が決まっており、そこから外れると充電ができなかった。AirPowerはユーザーにそのような手間を感じさせないのが、アピールポイントとなるはずだった。
発売直前での中止決定
そんなAirPowerは、今年3月30日に正式に発売中止が発表される。その理由としては、「アップルの高い要求水準を満たすことができない」ことが挙げられた。
2017年9月に発表されたAirPowerは、以前よりその販売計画が不透明だった。発表当時から発売時期は「2018年中」とはっきりとせず、その後に公式ホームページから一部の画像が削除されるなどの動きもあった。
しかし、2019年3月に発表された「第2世代AirPods」のワイヤレス充電ケースのパッケージには、確かにAirPowerのイラストが掲載されている。つまり、AirPowerの発売中止は今年のごく最近に下されたことが推測されるのだ。