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2019.04.16

1泊なんと600円!?ソフトバンクも出資したインド発のホテルネットワーク「OYO」

海外出張の際の悩み事、それは宿泊先ではないか。

もちろん、先方がホテルを手配してくれるとしたら、それに越したことはない。しかし自分たちで宿泊先を探さなければならない場合、どうしても熟考せざるを得なくなる。安全面や設備面の問題があるため、料金の安いホテルを選ぶわけにもいかないだろう。

だが、そのような利用者の深層心理を読み取って、しっかりビジネスにつなげている人も存在するようだ。

今、アジア各国で話題になっている『OYO』というホテルネットワークをご存じだろうか?

インド発のホテルネットワーク

筆者は度々、インドネシアの首都ジャカルタに滞在する。

このジャカルタでは昨年、苦い経験をした。筆者の商売道具であるノートPCとiPhone、iPadが宿泊先で盗まれてしまったのだ。正直に白状するが、この時泊まっていたホテルは予約サイトの中でも低価格帯に位置する施設だった。後日、「何でそんな安いホテルに泊ったんだ!」とインドネシア人の友人から怒られてしまった。

安宿にはこのようなリスクがある。ならば、そのような安宿をネットワークに取り込んで安全な宿泊施設にしてしまおうと考えたインド人がいた。リテシュ・アガルワルという、1993年生まれの若者である。そんな彼が創設したのがOYOだ。

ホテルのフランチャイズチェーンとは、従来のモデルケースであれば「店舗拡大=施設の新築」であった。しかしOYOは既存の低価格帯ホテルにフランチャイズ加盟を促すという仕組みを採用した。サービス、安全性、基本的な設備、アメニティー等の約30に渡る基準項目を満たしたホテルのみが、OYOのネットワークに参加できる。

予約システムは完全オンライン化され、AIが各ホテルの日々の利用者数を認識し、今後の動向を予想する。同時に、その需要予測に合わせた変動価格を利用者に提示するのだ。つまり旅行者の少ないシーズンであれば、OYO傘下のホテルは極力低価格に設定される。

シャワー、トイレ、エアコン付きで600円!

たとえば、下の画像をご覧いただきたい。

これは今年1月、筆者がジャカルタ市内の『OYO 245 Juana 21』に宿泊した時の領収書だ。Agodaでブッキングしたのだが、4泊分の宿泊費が日本円で2964円。特典の222円引きは、ここでは無視していただきたい。

これを単純に4で割ると741円だが、この中には税金とサービス料が合わせて20%含まれている。つまり、この時のOYO 245 Juana 21の宿泊費は1泊600円程度に過ぎないということだ。

今時、東南アジアでも1泊600円は安過ぎる。この価格帯では、シャワーとトイレは共用でロクに掃除もされていないような所もあるのだが、OYO 245 Juana 21の場合は完全個室。ホットシャワーもエアコンも完備され、テレビは衛星放送対応である。日本のアニメチャンネルも視聴できた。

スタッフは24時間常駐で、防犯対策もしっかりしている。

ちなみに、ジャカルタ特別州の最低法定賃金は月額約394万ルピア。字面で書くとだいぶ豊かなように見えるが、これは20年前のアジア通貨危機でハイパーインフレが発生した名残である。日本円では約3万800円だ。最近ではドル高ルピア安が一層進んでいるから、年毎の賃金の上昇率が相殺されている。

だがそれにしても、600円は価格破壊とも表現できる数字である。

日本の賃貸住宅業に進出

もっとも、OYOの価格は旅行シーズンに左右されるという面もある。

先述の通り、その地域の旅行者数をAIが判断して価格を決定するのだから、ハイシーズンになると価格も高騰する。

だが経営者にして見れば、こちらが思案しなくとも自動的に価格調整をしてくれるということだ。その合理性が受け入れられ、OYOはアジア各国で爆発的に拡大した。

そのネットワークは、既に日本にも及んでいる。

今年に入り、OYOはソフトバンクグループからの巨額出資を受けた。それからほどなくして、日本でヤフーとの合弁会社である『OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN』を設立した。

こちらは賃貸不動産関連企業であるが、入居から退居までオンラインで一貫させるという仕組みで、日本の賃貸住宅業の慣習である敷金と礼金を省いている。OYOがホテルネットワークで培ったテクノロジーを、そのまま賃貸住宅業に転用しているという印象だ。

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