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40、50代でラインから外れた社員が仕切る接待はなぜつまらないのか?

2019.04.16

■連載/あるあるビジネス処方箋

 今回は、40~50代でラインから外れた会社員の接待を紹介したい。この場合の「ライン」とは出世コースのことで、ここから完全にドロップアウトした人たちだ。たとえば、40代になっても、管理職になれない人である。あるいは一応課長だが、部下が一人もいない場合だ。部長だが、部員は数人しかいない人もラインから外れているといえる。

 私はこの人たちと年齢が近いこともあり、フリーランスになった14年前から仕事をする機会が多い。年に10~15人とコンビを組む。彼らが出版社や広告会社の編集者で、私が委託を受けて原稿を書く。仕事を終えた後、居酒屋や小料理屋に連れて行ってくれることがある。1年で10回くらいだ。いわゆる「接待」なのだろう。受注者である私からすると大変にありがたいが、憂うつでもある。今回は、出世コースから外れた人たちの接待を私なりに観察してきた集大成として紹介したい。

ひどい店を選ぶ

 まず、店がひどい。店名をネット上で探しても、見つからないくらいに知名度が低い。ほとんどの居酒屋ならば数分検索すると、少なくとも10~20のコメントを何らかのウェブサイトや掲示板で見つける。ところが、誘ってくれる店は見事にない。これは実話だ。誇張はしていない。

 いざ入ると、客がほとんどいない。午後6〜8時で数人しかいないのだ。しかも、平均年齢が60歳前後。働き盛りの会社員はまずいない。雰囲気は30〜40年前という感じで、全体として照明が暗い。何となく、臭う。日本酒と汗と加齢臭がまざったようなものだ。ビールはぬるく、枝豆は数週間、冷蔵庫に入れたままの感じがする。お酒は、聞いたことがないようなものが多い。食べるものといえば、表面がカサカサに乾燥した刺身や日干しのようなさんま、妙に柔らかく、脂ぎった肉ぐらいしかない。店員は40〜50代の男性で、店主という感じもする。人を雇うことができないのかもしれない。愛想はすこぶる悪い。ビールをもって来るときは嫌々という雰囲気を漂わせる。

 今、都内でこんな店を見つけるのは相当に難しい。私が皮肉も込めて「個性的」と言うと、彼らは「前から、この店に入りたかったんだ」と喜ぶ。そして、「まぁ、ご苦労様」と労をねぎらってくれる。ありがたく、頭を下げるのだが、心の中では悲しくもなる。店を選ぶ感覚が明らかにずれているからだ。人をもてなすことになれていないのかもしれない。気配りができない姿勢が、日々の仕事にもリアルに出ている。この人たちは、仕事のミスが実に多い。半端じゃない。しかも、同じことを繰り返す。何かを感じるべきなのだろうが、どうも鈍いようだ。

酒を飲む間のほとんどが、不平、不満、愚痴

 特に同世代で出世する人に敵対的な感情を持つ。失脚をひたすら願う。一緒に酒を飲むと、「あんな奴が編集長では雑誌は売れない」などと言う。憎しみに近い思いを打ち明ける。ライベル心をもつのはいいことかもしれないが、一線を越えている。隣にいる私が怖くなるほどだ。

 酒を飲む間のほとんどが、不平、不満、愚痴となる。会社や部署、同僚を認め、称えることをしない。妙な観察力で出世する人のささいなミスを指摘し続ける。「あいつは、こんなこともできなかった」…。ねたむことはするが、社内で認められるための努力をしない。それどころか、自分がラインにいるべき人物と言わんばかりに愚痴をこぼす。彼らが担当する仕事は20代の社員でもできるものばかりだ。高い賃金を受け取る40~50代がするものではない。そのことに恥じらいや罪の意識はないようだ。

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