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「男性ホルモン剤の過剰摂取によって精子の数が減少」シドニー大学ほか研究

2019.04.09

男性ホルモン剤の過剰摂取で精子数が減少か

筋肉増強のためにテストステロンやステロイドなどの男性ホルモン剤を過剰摂取すると、精子数とテストステロンの分泌量が減少するという研究結果が、シドニー大学およびコンコード・リパトリエーション総合病院(オーストラリア)の内分泌科医であるNandini Shankara Narayana氏らにより報告された。

男性ホルモン剤の使用を中止するとこれらは正常レベルまで回復するが、完全な回復には9~18カ月以上かかることも分かった。

詳細は、米国内分泌学会(ENDO 2019、3月23~26日、米ニューオーリンズ)で発表された。

Shankara Narayana氏によると、市販の男性ホルモン剤(アンドロゲン)の使用は、経済的に豊かな先進国で急増している。

しかし、男性ホルモン剤の過剰摂取が精子形成やテストステロンの分泌能、生殖能力といった生殖機能に及ぼす影響については、ほとんど研究されていないという。

この研究では、93人の男性を対象に分析した。このうち41人はテストステロンまたはステロイドなどの男性ホルモン剤を現在も使用しており、31人は研究開始時から3カ月以上前までにこれらを使用した経験があった。

残る21人はこれらを使用した経験がなく、定期的に運動している健康な男性であった。

分析の結果、男性ホルモン剤の使用をやめた人や使用した経験がない人と比べて、現在使用している人では精巣の平均サイズが有意に小さく、精子数が少ないことが分かった。

また、男性ホルモン剤を使用中の人では、テストステロンの産生に関与する黄体形成ホルモン(LH)と精子形成に関与する卵胞刺激ホルモン(FSH)の数値にはいずれも低下が見られた。

一方、男性ホルモン剤の使用をやめた人と使用した経験がない人では、精子形成とこれらのホルモンの数値に差は見られなかった。

Shankara Narayana氏らは「この結果は、男性ホルモン剤の使用をやめるとホルモンの値は正常に回復することを意味する」と説明している。

今回の研究では、男性ホルモン剤の使用をやめてからLH値は平均で9カ月、精子数は14.2カ月、FSH値は18.7カ月で正常値まで回復したという。

これらの結果を踏まえ、Shankara Narayana氏は「今回の結果は、筋肉増強を目的として、市販の男性ホルモン剤を過剰摂取する男性の診療にあたる内分泌科医にとって非常に有益な情報だ。

男性ホルモン剤を乱用した後の回復期の医療ケアについては、その予後に関する情報はほとんど得られていないのが現状だ」と述べている。

(参考情報)
Press Release
https://www.endocrine.org/news-room/2019/endo-2019---recovery-from-sperm-suppression-due-to-performance-enhancing-drug-abuse-is-slow

構成/編集部

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