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「射精前の精子で不妊治療の成功率が向上」英インペリアル・カレッジ・ロンドン研究

2019.04.04

射精前の精子で不妊治療の成功率が向上?

不妊男性の精巣から直接採取した精子のDNAの質は、不妊ではない男性のものとほぼ同程度に良好であることが、英インペリアル・カレッジ・ロンドンのJonathan Ramsay氏らの研究で明らかになった。

この成果は、男性不妊の新しい治療法の開発につながる可能性があるという。研究結果の詳細は、欧州泌尿器学会(EAU 2019、3月15~19日、スペイン・バルセロナ)で発表された。

Ramsay氏らは今回、卵細胞質内精子注入法(ICSI)による不妊治療に失敗した経験がある不妊男性63人を対象に、精巣から直接採取した精液中の精子サンプルと、同じ男性が射精した精子サンプルを比較した。

また、参照として、不妊ではない男性ボランティア76人から得た射精した精子サンプルについても分析した。

その結果、射精した精子に着目すると、精子のDNA損傷の程度は、不妊ではない男性よりも不妊男性ではるかに高いことが分かった。

精子のDNAに損傷が認められた男性の割合は、不妊ではない男性の15%に対し、不妊男性では40%に上っていた。

しかし、不妊男性の精巣から直接採取した精子の質は、不妊ではない男性のものとほぼ同程度であった。

Ramsay氏らは、不妊男性が射精した精子に大きなDNA損傷がみられたのに驚きはなかったとする一方、「不妊男性の精巣から直接採取した精子と不妊ではない男性の精子は、同程度に質が良いという結果は予想していなかった」と述べている。

また、不妊男性の精巣から直接採取した精子では、より修復が難しいDNA二本鎖切断の頻度が低いことも明らかになった。

Ramsay氏らによれば、この結果は、精子のDNAは精巣から射精に至るまでの過程で損傷を受ける可能性を示しており、「精巣から直接採取した精液中の精子を不妊治療に使用すれば、不妊男性のカップルでも妊娠率が高まる可能性を示唆している」と説明している。

Ramsay氏は、精子のDNA損傷の多くは酸化ストレスによって引き起こされるものだと指摘する。

「酸化ストレスは、栄養の乏しい食事や座りっぱなしの生活、喫煙などの悪い生活習慣だけでなく、クローン病や2型糖尿病といった疾患も原因となりうる」と同氏は説明している。

共同研究者の一人で、英クイーンズ大学ベルファスト教授のSheena Lewis氏は、この研究結果は、不妊治療が成功しない男性の治療に、精巣から直接採取した精子を用いる道を開くものだと期待を示す。

「ただ、今の時点では、精子のDNA損傷が不妊自体や治療が成功しない主な原因であることが裏づけられているわけではない。そのため、精巣から直接採取した精子を用いることで、必ずしも妊娠率が向上するとは言えないことを理解しておく必要がある」と同氏は付け加えている。

米国立衛生研究所(NIH)によれば、米国人カップルの約15%が不妊とされ、1年間妊娠を試みても成功しない状況だという。

なお、学会発表された研究結果は、査読のある医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

(参考情報)
Press Release
https://eaucongress.uroweb.org/dna-of-sperm-taken-directly-from-testicles-of-infertile-men-is-as-good-as-that-of-fertile-men-possibly-opening-way-for-new-treatment/

構成/編集部

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