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2019.03.30

「中年期の食事の質は認知症リスクに影響しない」フランス国立衛生医学研究所

中年期の食事の質は認知症リスクに影響しない?

「健康的な食事は認知症の予防に役立つ」という常識に疑問を投げかける研究結果が明らかになった。

フランス国立衛生医学研究所(INSERM)のTasnime Akbaraly氏らが8,200人以上の中年男女を約25年間にわたって追跡調査した結果、中年期に果物や野菜を多く摂取する健康的な食習慣があっても、そうでない人と比べて認知症リスクは低いわけではないことが分かった。

過去のさまざまな研究結果と相反するこの結果は、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」3月12日号に発表された。

この研究は、1991~1993年の時点で認知症を患っていない成人8,255人(平均年齢50.2歳、男性69.1%)を対象としたもの。

参加者を、代替健康食指数(AHEI)で評価した食事の質で3つの群に分けて、前向きに平均24.8年間追跡し、食事の質と認知症の発症との関連を調べた。

追跡期間中に344人がアルツハイマー病と診断された。解析の結果、食事の質が最も高い群と最も低い群との間で、認知症の発症率に有意な差は見られないことが明らかになった。

なお、食事の質が最も高い群の人は、果物や野菜、全粒穀物を毎日数サービング(サービングは標準的な1回分の摂取量)食べ、ナッツやマメ類を少なくとも週に2~3サービング、オリーブオイルなどの不飽和脂肪酸を習慣的に摂取し、赤身肉や塩分、糖分の入った飲料の摂取を制限していた。

これまでの研究で、心血管の健康によい食事は、認知機能の低下や脳の異常が起こるリスクを低減させる可能性が示されている。

そのため、米アルツハイマー病協会などの団体は、認知症予防につながりうる手段として、そうした食事を取り入れることを勧めている。

ただ、これまでの研究の多くは追跡期間が10年未満と非常に短かった。Akbaraly氏によれば、中年期からの食事の質と長期間の認知症リスクとの関連について検討した研究は、今回のものが初めてだという。

ただし、そのような健康的な食事をやめるべきだとする声は皆無だ。同協会の学術プログラムおよびアウトリーチ部門のディレクターを務めるKeith Fargo氏は「この報告を受け、健康的な食事は無益だと考えてほしくはない」と話す。

今回の研究には関与していない同氏は「食事と認知機能に関する広範な学術文献に基づけば、健康的な食事にはベネフィットがあるのは明らかだ。

それを踏まえた上で今回の結果を解釈すべきだ」と指摘している。

なお、同協会によれば、最も強いエビデンスで支持されている食事療法は、伝統的な地中海食とDASH食であるという。

これらの食事療法は「果物や野菜、マメ類、全粒穀物、良質の脂肪、魚、鶏肉などをたくさん摂取し、赤身肉や菓子類、塩分の摂取を控えめにする」点が共通している。

Akbaraly氏も、今回の研究結果は「食事が重要ではないことを示しているわけではない」と強調する。

食事は誰にとっても全般的な健康状態を左右する重要なものだ。同氏らのグループによる以前の研究では、最も健康的な食事を取っている中年の男女では、その後20年以上にわたってうつ病リスクの低下が認められたという。

さらに、Fargo氏は「この研究は観察研究であり、因果関係を証明するものではない」と指摘し、「観察研究からは食事などの生活習慣の是正で認知症リスクが低下するのか否かを結論づけることはできない。

この答えは、生活習慣を是正する群と是正しない群にランダムに割り付ける臨床試験によってのみ導き出される」と話している。

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2727449

構成/編集部

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