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2019.04.03

面倒な契約を自動化!「スマートコントラクト」って何?

【ブロックチェーンの活用法】契約を自動化するスマートコントラクト

 ブロックチェーンの仕組みがわかっても、それをどう活用していくのか? なかなかイメージができない人も多いのではないでしょうか。今回はブロックチェーンをビジネスで活用するのに欠かせない「スマートコントラクト」について解説していきます。

 スマートコンタクトはその名の通り契約(コントラクト)を自動化するためのものです。契約の自動化というのは、契約の履行・取引の実行を自動化することであり、契約手続き作業の自動化ではありません。また「スマートコントラクト」はあくまで方法の呼び名であるので、ブロックチェーンを使わずとも実現できます。

 そのことをまず頭に入れた上で、本記事ではスマートコントラクトの基礎と、ブロックチェーンでスマートコントラクトを実現するメリットを紹介します。

契約が締結されたらスマートコントラクトの出番

 まずは以下の図を見てください。スマートコントラクトの概念を整理したものです。ある売買契約の締結が完了すると、その契約内容をプログラム化してブロックチェーンに書き込みます。「売買の対象物を引き渡す」タイミングが発生すると、売った人が買った人に対して、対象物を引き渡します。ブロックチェーンでは、自動的に取引の決済が行われ、買った人から売った人にお金が自動で受け渡されます。

■スマートコントラクトのイメージ

 契約の合意がなされ、その契約内容をプログラム化して自動で履行できるようにすることをスマートコントラクトといいます。概念そのものは1994年にニック・スザボという情報工学の学者によって提唱されています。

 もちろん、契約の締結自体をシステム化すれば、契約書の内容を読み取ってプログラムを作成する必要はなく、契約手続き完了→ブロックチェーンへの書き込みをペーパーレス、完全自動で行うことができます。また売買の対象物が、デジタルコンテンツなどのデータが主体である場合は、完全にシステム化して契約の履行ができます。

 ポイントは「スマートコントラクトは契約が締結されたら出番になる」ということです。

 ところで、例に挙げたような物の売買は、ブロックチェーンを使う必要がないのでは?と思いませんか。実際のビジネスシーンでも、取引が実行されたら請求書が届いてお金を支払うということを何度も行っていますがブロックチェーンは出てきません。電気や水道の料金のように、あらかじめ契約した料金体系に対して、毎月の使用量に応じて銀行口座から料金を自動で引き落とすというサービスもあります。2016年に起こった電力の自由化で話題となった「スマートメーター」のように、使用量を自動で読み取り、銀行口座から料金を自動で引き落とすというスマートコントラクトの仕組みは、ブロックチェーンでなくとも実現できています。

■スマートメーターのイメージ

 あらかじめ利用者と電力会社の利用契約がある状態で、電力会社のサーバーが自動で利用者の使用量を確認し銀行に対して請求の依頼を行うことはスマートコントラクトの仕組みといえます。

 したがってブロックチェーンを使ってスマートコントラクトを実現するとどのようなメリットがあるかを考えてみましょう。以下に3つのメリットをまとめます。

【スマートコントラクトのメリット】

①契約履行の透明性を確保できる
②契約履行のための中央管理者が不要でかつ安全に取引できる
③決済が低コストかつ高速にできる

 いずれのメリットもブロックチェーンの仕組みから起因していることにお気づきでしょうか。ブロックチェーンの中のデータは誰でも見えるし、ネットワークの参加者の取引の承認が必要です。ネットワークの中央の管理者は存在せず、取引の台帳のコピーを全員が共有しています。また支払(価値の移転)を数十分程度で完了できるのもブロックチェーンから起因するメリットです。

 一方で第三者に取引の中身を見られたくない場合や、契約の内容を途中で変更したい場合などに対応できないなどのデメリットもあります。ビジネスシーンでどのように活用していくかを考えると、悩ましいデメリットでもあるでしょう。

 スマートコントラクトの基本は理解できましたか。「契約の自動化」という言葉に惑わされないことが大切です。メリット・デメリットを理解し、そもそもブロックチェーン上で実現するのが適切かどうか見極められるようにしておくことが重要です。

取材・文/久我吉史

現役の金融ビジネスパーソンでもある金融ライター。ネット証券やネット銀行などを渡り歩き、ITから法人営業まで何でもこなす。最近は金融ビジネスをコーポレート(法務・会計)目線で作り上げるような毎日を送っている。

作図/稲岡聡平

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