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【2020年以降の日本を語る】「小売店は人が介在する必要があるサービスを磨こう」あさひ・下田佳史社長

2019.03.31

日本の小売店がAmazon等の出現により苦境にさらされている。そんななか、ネット販売の脅威にも屈せず売り上げを伸ばすのが、自転車専門店「サイクルベースあさひ」を全国に展開する「あさひ」だ。下田佳史社長に経営の根幹を聞くと、小売業復活の鍵となる考え方が見えてきた。

あさひの下田佳史社長。東京・千駄ヶ谷の店舗にて。あさひでしか買えないプライベートブランドの人気商品も

世界で唯一と言われる“株式を上場している自転車小売店”である「あさひ」。1975年に自転車専門店として10坪の店舗でスタートし、現在は全国に約470店の「サイクルベースあさひ」を運営する。まず、彼らがなぜ、この驚異的な成長を実現できたのかを聞いた。

「なかなか実現できない正しいこと」をやる

夏目 今後、日本の小売店がAmazonに飲み込まれてしまう、という危機感は多くの方が感じていると思います。そこで、今も成長を続ける貴社のお話を伺いたいと思いました。

 その前に、全国にこれだけの自転車屋さんがあるなか、なぜ貴社が成長したかについてお聞かせください。

下田 私の父が自転車専門店を開業した当時、お店は家族が2階に住んでいるようなよくある自転車屋だったんです。しかしここから業界が大きく変化し始めました。まず、スーパーやホームセンターに自転車販売コーナーができて、いわゆる「ママチャリ」が1万円を切るような値段で売られ始めたんです。自転車の生産拠点も台湾や中国に移り、日本の小規模な自転車メーカーは次々と廃業していきました。

 ところが自転車メーカーが少なくなると「もっと様々な品揃えの中から選びたい」というニーズが生まれたんです。80~90年代にかけてのことでした。

夏目 80年代からモノが溢れはじめ、購買行動が「自分にピッタリなものがほしい」方向に変わってきましたからね。

下田 これを受け、当社は88年に大型の自転車専門店をチェーン展開し始めました。ところが、ここからまた別の問題が発生してきたんです。自転車メーカーさんが次々廃業し、様々な商品をとり揃えることが難しくなってきたんですね。これでは大きな店舗を構える意味がありません。そこで、96年にプライベートブランドを立ち上げました。

夏目 巨大店舗を出店して、しかも20店舗しかない段階で海外メーカーに製造を依頼してPBをつくるって、リスクが非常に大きいですよね。

下田 様々な事業を展開するか否か、判断基準はシンプルです。常に「正しいかどうか」を考えます。それがお客様にとって、もしくは社会にとって良いことかどうかを考えるんです。

 なぜなら、企業には「お客様は望むもののなかなか実現できない」ことがあると思いますが、これを成し遂げることが大きな成長をもたらすからです。例えば修理に必要な時間は短いほうがいいので、当社はスタッフに幾度も修理技術に関する研修を受けてもらい、パンクなら10分以内で修理を終えます。また自転車の出張修理サービスも行っています。自転車が壊れているのだから、修理に来てほしいですよね。そこで我々はドミナント出店(ある地域に集中的に店を増やすこと)し、修理のスタッフが足りないときは別の店のスタッフが伺える体制を構築し、これを実現しています。実は、非常に難しいオペレーションの基に成り立っているんですよ。

「お客様が望むこと」「社会的に正しいこと」は、信念を持って長く続ければうまくいくことが多いと思っています。仮にうまくいかなくても、大けがすることはないでしょう(笑)。当社は単に規模を大きくしようとしたのではありません。お客様のご要望に沿うために事業を拡大していったんです。

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