人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

【開発秘話】発売初年度に1300万個出荷した不二家『ルック4』

2019.03.27

■連載/ヒット商品開発秘話

 1962年に誕生した不二家のチョコレート『ルック』。発売55周年を記念して2017年9月に発売された『ルック4』が好評を博している。

『ルック4』は、4種類のソリッドチョコレート(板チョコのような無垢のチョコレート)をアソート(詰め合わせ)したもの。ミルク(カカオ27%)、ビター(同40%)、ダーク(同55%)、ハイカカオ(同70%)の4種類を1つのパッケージに収めている。この10年の間に『ルック』ブランドから発売された新商品の中では一番売れているとのことで、発売初年度に1300万個出荷している。

機が熟し実現したソリッドチョコレート4種類のアソート

『ルック』といえば中にクリームなどを詰めたものを4種類アソートしているのでおなじみだが、ソリッドチョコレートへの進出は同社にとって念願であった。菓子事業本部生産本部商品企画部商品企画一課 課長の礒田聡史氏は次のように話す。

「ソリッドチョコレートはチョコレートの最大カテゴリーなので、ずっと前から手掛けたいと思っていたのですが、それがなかなかできないでいました」

不二家
菓子事業本部生産本部
商品企画部商品企画一課
課長
礒田聡史氏

 1つのパッケージに4種類のソリッドチョコレートをアソートするアイデアは、10年以上前から温められていた。2006〜07年頃、開発にトライ。ミルク、ビター、ホワイト、セミスイートの4種で検討し、パッケージデザインも考えられたが、断念する。

「クリームを挟まないソリッドチョコレートは味の違いがつけづらいです。甘い4つが揃っても商品力としての嗜好性が低く、お蔵入りになりました」

 礒田氏は当時をこのように振り返る。その後、ソリッドチョコレート4種類のアソートは、企画提案されては立ち消えになることを繰り返した。

 しかし2016年頃になると、実現が現実味を帯びた。その理由は、ハイカカオチョコレートの人気沸騰。ソリッドチョコレート4種類の中にハイカカオチョコレートが入れば、甘いものから苦いものまで幅広く揃い商品力が高くなる。

 また、『ルック』では2016年に『ルック・カレ カカオ70』というハイカカオチョコレートを発売しており、健康感の高さから売れたことも影響した。ソリッドチョコレート4種類のアソートの実現は、ついに機が熟したのであった。

半年かけて億単位の設備投資を認めてもらう

 ただ、1つのパッケージに4種類のチョコレートをアソートするので、通常より製造に手間がかかり、設備投資も不可欠だった。「異なるカカオ分のチョコレートを、ルックの生産ラインに中継・保存する新設備が必要でした」と礒田氏。タンクや配管などを新設し、カカオをブレンドするための装置が必要になった。

 新設備には億単位の金額を要した。多額なこともあり、「役員に認めてもらうまで大変でした」と打ち明ける礒田氏。億を超える設備投資は同社では滅多にないこと。それに、チョコレートに関しては久しぶりだった。億単位の設備投資となると社運を賭けることになることから、判断も慎重になり、ゴーサインが出るまでに実に半年の期間を要した。

「食べ比べ」という価値の提案

『ルック4』に社運を賭ける形になった同社は、社内に若手社員主体のプロジェクトチームを結成。企画、営業、開発などから、10数名の若手社員が集まり、パッケージデザインや売り方などを議論していった。

 プロジェクトでは、ソリッドチョコレート4種類のアソートを、いかにユーザーに訴求するかについて議論された。定着させるには、新たな価値を提案する必要があると考えたからであった。

 議論の末に出した結論は、食べ比べであった。食べる順番や時間帯によって味の感じ方が変わることから発案された。

 具体的には、「朝の目覚めをスッキリしたいあなたに!」「お昼ご飯、晩ご飯前、小腹を満たしたい甘さに!」「集中力が切れた、リフレッシュしたいあなたに!」という3つのケースを想定し、それぞれのケースで最適なオススメの食べ方を提案。決めるに当たっては、話し合って検討しただけでなく、実際に想定したケースに合わせて食べた実感も踏まえた。

箱を開けると、3つのケースでのオススメの食べ方の提案が

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2019年11月15日 発売

DIME最新号の特別付録は「スタンド一体型簡易スマホジンバル」!今年から5年先のトレンドまで丸わかり!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。