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2019.03.26

パワハラの被害者にならないために部下が心得ておくべきこと

■連載/あるあるビジネス処方箋

前回、「パワハラ議論で完全に抜け落ちていること」を書いたが、今回はそれに補足をしたい。なぜ、パワハラが起きるのか。その大きな理由に、「理解し合う」姿勢や意志が強すぎることがあると私は思う。たとえば、「自分の考えを分からせよう」や「なぜ、俺の指示を理解しないんだ」といった思いである。この姿勢があるから、部下や取引先に強い態度をとったり、意にそぐわないと感情的になるのではないだろうか。そこに、パワハラのはじめの1歩がある。

他人と理解し合うのも、分かち合うのも簡単ではない。そもそもが、上司と部下、同僚、取引先とは立場が違う。おのずと考えは異なる。私は1990年代初頭から2005年まで会社員をしていたが、上司と部下、同僚、取引先が深く話し合ったり、理解し合う姿を見たことがない。それでも、意思疎通ができないと感じた時こそ、ある程度の話し合いはするべきと思う。その理由は、「分かち合うことは不可能である」と確信するためである。30分~1時間と話し合っていくと、もはや、乗り越えられない壁が存在しているのがわかる場合がある。

乗り越えられない壁が存在する理由

なぜ、この壁があるのか。様々な理由があるのだが、私の経験をもとに説明をしたい。2006年以降、フリーランスとして仕事をするうえでもっとも困ったのは、社員数100人以下の会社の30代前半までの担当者だ。キャリアの差は20~25年あり、様々な意味において壁がある。担当者の判断や決断、仕事の進め方のほぼすべてに事実誤認や現実離れしたものがあるように私には見える。しかも、強引に進める。私には、ある意味でパワハラに映る。さらには、このレベルの担当者は上司に報告をしない。会社員でありながら、個人事業主のような仕事の仕方をしている。

こうなるのは、本人もさることながら、会社のマネジメントのあり方に大きな問題がある。この類の会社は、創業数十年の中小企業に多い。売上はほぼ毎年10億円以下で、強力な事業の柱は立っておらず、新卒採用はほとんど行われていない。社員の定着率は低く、辞めていく人が後を絶たない。20代~30代前半の社員が少なく、40~50代が多い。管理職や役員になると、10~20年と据え置きとなり、人材の新陳代謝はまずできていない。

30代前半までの社員を育成する仕組みが十分には機能していない。上司がいたとしても、指導はしていない可能性が高い。仕事の大雑把なポイントや流れは教えても、毎日、1つずつの作業について細かく指示をしない。報告を頻繁に求めもしないのだろう。結果として、私の担当者などは20代で事実上の管理職に近い立場でひとりで判断し、決断し、仕事をしているようだ。その中には、混乱や問題がよりひどくなるものが多いように思えてならない。

本人は真剣だ。こちらが何かを言おうとすれば、感情的になりかねない。もともと、意思疎通力に何かの欠陥を抱えたうえに、間違った判断を「正しい判断」と信じ込んでいるのだから、理解し合うのはやはり、できない。しかも、上司から教えられたり、社員間で競い合ったりする機会が非常に少ないために、自分の力を過信する傾向がある。

2006年から今に至るまでを振り返ると、こういう担当者は通算で15~20人いた。そのほぼ全員が、小さな会社にいた。私は最近よく思う。担当者の上司である管理職や役員が育成を放棄しているのに、外部の私が担当者と深く理解し合うのは好ましくないのではないか。育成しないのが、その会社の方針なのだろうから。だから、あえて担当者との話し合いで深入りをしない。

部下は真剣に受け止める必要はない

これは、同じ会社の上司と部下の間にも言えるのではないか。上司が「なぜ、俺の指示を理解しないんだ」とハラスメントをしても、多くの会社は黙認している。会社として、管理職の育成を放棄しているのだから、部下が真剣に受け止めるべきではない。

むしろ、あなたも部下としての責任を放棄するくらいの思いをもっていい。たとえば、上司が「なぜ、俺の指示を理解しないんだ」とすごむならば同じ土俵に上がらないほうがいい。本人は自らを「正しい」と信じ込んでいる。あなたは、「こんな人と分かち合うことは不可能である」と確信し、目の前の仕事だけを淡々と消化していけばよい。社長、役員、管理職が責任を放棄している中、真剣に悩む必要は一切ない。そんな賃金も、待遇も権限も与えられていないではないか。

文/吉田典史

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