
ビールや発泡酒より税金が低いビールテイストの「新ジャンル」は、実勢価格が約110〜130円という安さから2003年の登場以来急成長を遂げてきたが、2013年を境に売り上げは右肩下がりになっていた。しかし、昨年3月に発売されたキリンビールの『本麒麟』が、半年で2億本を売り上げるという大ヒットを記録。新ジャンル市場にも、まだ伸び代があることを示した。そしてこの春、新ジャンル戦争が幕を開けた!
お花見商戦、新ジャンルの勝者は?
「本麒麟」の特徴は力強いコクと飲みごたえの〝ビールらしさ〞。そのヒットを受け、この春各社が投入してきた新製品はほぼビールと遜色ない味わいの力の入った商品だ。春のお花見シーンでも主役に踊る出ること間違いなしの注目3ブランドを飲み比べてみた!
サントリー「金麦<ゴールド・ラガー>」
まずは「本麒麟」の前に立ちはだかった強力なライバル、サントリーの「金麦<ゴールド・ラガー>」。サントリーは「金麦」を13年目で初めてリニューアル。さらにこの「金麦<ゴールド・ラガー>」を新たに発売し、大攻勢を仕掛けている。
やはり目を見張るのはそのコクと旨味。この点では「本麒麟」と優劣つけがたいが、特筆すべきはその香り。フローラルなポップの香りが際立ち、誤解恐れず言えば、プレミアムビールのようだ。アルコールも6%なので、ゴクゴクというよりゆっくり味わいながら楽しみたい。みんなでしっとり桜を楽しむ大人のお花見にオススメの新ジャンルといった感じ。夜桜なんかにも合うと思う。新商品ということもあり、「本麒麟」で新ジャンルにハマったという人にも是非ためしてもらいたい一品。
コク ★★★★★
キレ ★★★☆☆
苦み ★★★★☆
アサヒ「アサヒ 極上<キレ味>」
続いて、アサヒから登場した新商品「アサヒ 極上<キレ味>」。「スーパードライ」で培った高発酵技術を用いて、同社の得意分野である“キレ”にこだわった商品だ。
早速飲んでみると、しっかりとした飲みごたえだけじゃなくてスッキリとした「キレ」に驚く。ライバルにないシャープなのどごしが印象的な新ジャンルだ。みんなでワイワイ楽しむ感じのお花見にはぴったりのビール。つまみに揚げ物が多い時などにもぴったり。
コク ★★☆☆☆
キレ ★★★★★
苦み ★★★★☆
キリン「本麒麟」
最後に新ジャンル戦争の口火を切った「本麒麟」。新ジャンルの商品でありながら、ビールに期待される“力強いコクと飲みごたえ”のある本格的なうまさを味わえるとされ、高い評価を得た。1月にリニューアルし、ビールに近い卓越したうまさと品質を一層強化した。
リニューアルでドイツ産ホップを増量したこともあり、ビールに近い力強いコクがさらにアップ。「金麦<ゴールド・ラガー>」と比べると、ややスッキリ感が強い印象。焼き鳥やこってり系のおつまみにもよく合いそう。バランスもよく、何本飲んでもあきない。
コク ★★★★☆
キレ ★★★★☆
苦み ★★★☆☆
新ジャンルと聞くと、正直ビールと比べてどうしても水っぽいイメージがあったが、今回飲み比べてみて各商品とも良い意味で期待を裏切られた。価格とおいしさのバランスを考えると、この春のお花見の主役はビールより新ジャンルになりそう。どれがベストかというと難しいが、仲間とまったりお花見を楽しむなら「金麦<ゴールド・ラガー>」、昼間にワイワイ楽しむなら「アサヒ 極上<キレ味>」がおすすめ。「本麒麟」と「金麦<ゴールド・ラガー>」は共にコクがあり、アルコール6%としっかりした口当たりで、今までの新ジャンルと一線を画す。お花見シーズンの赤いラベル対決にも注目だ。各商品ともまだ飲んでいない方は、是非いろいろ試してみて!
取材・文/ビールBOY