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「報酬が出る研究に参加した人は嘘をつきやすい」米ペンシルベニア大学研究

2019.03.18

報酬のある研究参加者は嘘をつきやすい? 米研究

研究に参加すると報酬がもらえる人は、報酬のない人と比べて研究に参加する条件について、虚偽の報告をする確率が高いことが、米ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院医療倫理・医療政策部門のHolly Fernandez Lynch氏らによる研究で示された。

この研究結果は「JAMA Network Open」1月25日オンライン版に発表された。

Lynch氏らは今回、米国の成人男女2,275人を対象に、過去6カ月間にインフルエンザワクチンを接種したかどうかを尋ねるオンライン調査を実施した。

一部の参加者には、参加の適格基準は予防接種の有無に影響されないと説明し、これらの参加者を対照群とした。

一方、他の参加者には5ドル、10ドル、20ドル(それぞれ約550円、約1,100円、約2,200円)のいずれかを報酬額として提示した上で、参加の適格基準は、予防接種を受けたか、受けていないかのいずれかであると説明した。

その結果、対照群では52%が予防接種を受けたと回答した。それに対し、参加の適格基準が予防接種を受けた人と説明を受け、5ドル、10ドル、20ドルのいずれかの額の報酬を受け取った群では、予防接種を受けたと回答した人の割合はそれぞれ63.1%、62.8%、62.1%と対照群より高かった。

一方で、参加の適格基準が予防接種を受けていない人だと説明された上で報酬を受け取った群では、予防接種を受けたと回答した人の割合はそれぞれ46.5%、41.8%、46.7%と対照群に比べて低かった。

Lynch氏らは「比較した群で異なる点は、参加者に提示した適格基準と報酬額のみだった。

そのため、自己報告に基づいたワクチン接種率の群間差は、参加者の虚偽の報告によって生じたものだと考えられる」と説明している。

これらの調査データに基づき、同氏らは、参加者の10.5~22.8%が研究の参加資格について嘘をついていたと推定した。

この結果について、Lynch氏は「このような行動は、研究の公正性や研究結果を損なうだけでなく、参加者を保護する目的で適格基準を設定しても、かえって参加者を危険にさらしてしまう可能性もある」と指摘している。

研究への参加を促すために、参加者に報酬が支払われるケースは少なくない。論文の最終著者で同大学院のEmily Largent氏は「研究者は、参加者の自己報告には頼らずに、できるだけ客観的な評価基準を用いるべきだ」と指摘している。

ただし、同氏は「参加者に支払う報酬を減額したり、なくしたりすることが最善とはいえない。報酬を支払うことは合理的に参加者の登録を増やす手段になるほか、参加者の時間や労力、負担の補償として義務であるかもしれない」と話している。

また、今回の研究では、提示された報酬額は、参加者が嘘をつく確率には関係していないことも示唆された。

共同研究者で同大学院のSteven Joffe氏は「このことは、報酬額を低くしても参加者が嘘をつくことは防げない可能性がある。

また、より高い報酬額を設定しても、研究の公平性を損なうことなく、参加者の募集を促すことになるかもしれない」と述べている。

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2722570

構成/編集部

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