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【2020年以降の日本を語る】「下町ロケット」の技術はあるのに日本で実現しない理由・トプコン平野聡社長

2019.03.20

工事現場でブルドーザーが自動で整地を始め、トラクターが田植えや稲刈りを行う……そんな「下町ロケット」のような技術、実はいずれも実現済みだ。創り出した企業は、東京都板橋区に本社を置く株式会社トプコン。売上約1500億円のうち約80%を海外で稼ぎ出す超優良企業だ。ところが、この技術の普及を阻むものがあった。日本の問題点を、同社の平野聡社長に聞いた。

左がトプコンの平野聡社長、右が文中に登場する米国子会社のCEO。

道路工事の現場で、作業員の方が望遠鏡のようなものをのぞき込んでいるのを見たことはないだろうか? トプコンは元々、この「測量機」をつくる企業だった。しかし90年代、現社長の平野氏は既に未来を予測していた。3Dスキャナーを使って一瞬で測量を終え、設計図を建設機械に読みこませると、あたかも3Dプリンターのようにブルドーザーが自動で動き、整地をはじめる未来を思い描いていたのだ。

世界中の農業が工場化していく

夏目 まず、建設現場で貴社の機械がどう動くかをお教えください。

平野 既存のブルドーザーに、高精度のGPSなどを含む当社のマシンコントロールシステムを搭載します。そして、運転席のタブレット型コンピュータに3次元で作成した設計図面(施工データ)を読みこませると、整地したり、穴を掘ったり、埋め立てたり、といった作業が半自動(建機を進めたり止めたりはオペレータが行うが、複雑なブレード制御は自動)で行えます。

夏目 別の取材でこれを知ったとき“まさに第四次産業革命だ”と感じました。情報を「見える化」することで、次々と人間が行っていた作業が自動化していくわけですね。

平野 しかも人の目より正確です。例えば飛行場の滑走路には微妙な傾斜が必要で、今までは熟練の作業員の方たちが30m間隔で地面に杭を打ち「ここはこれくらいの高さ」と計測して、地面を目視しながら傾斜をつけていました。しかし当社のシステムを使えば、三次元の施工データに基づいてブルドーザーのブレードが動き、設定した通りに整地してくれます。

トプコンのマシンコントロールシステムでブルドーザーが自動で動く様子。(英語、49秒付近に自動運転の様子がある)

夏目 私は“建築現場が3Dプリンターに近づいていく”と感じました。同時に貴社はこの技術を農業にも応用していますね?

平野 既存の農機にマシンコントロールシステムを搭載すれば、簡単に田植えや種まきから収穫まで自動化できます。農機はGPSによって自分の位置を正確に把握できるので極端な話夜中でも作業ができるんです。

今後は熟練が必要だった作業も自動化していきます。例えば作物の茎や葉にレーザー光をあて、返ってきた光の波長を分析することにより「ここに肥料を撒いたほうがいい」「肥料の中でもこの成分を多く含むものが必要」と判断し、自動で肥料をやるシステムも既に存在するんですよ。

当社の技術は既に欧米や豪州では実用化されています。今後、世界中の農業が巨大な工場のように自動化していくでしょう。

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