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音楽は期待を裏切られたほうが楽しめる?

2019.03.18

意外性溢れる音楽体験で報酬系が形成される

 音楽の楽しみ方において“意外性”が鍵を握っていることが示されているのだが、それもそのはず、意外性に溢れる音楽体験は我々の脳に“報酬系”を作りあげていることが最新の研究で報告されている。我々は食べ物やお金を欲するのと同じように、文字通り音を楽しむ“音楽”を本能的に求めているというのだ。

 ライブコンサートでミュージシャンがレコーディング音源とはまた違ったアドリブ演奏で場内を盛り上げることがあるが、こうした予想を“裏切られる体験”は我々に本質的な音楽の楽しみをもたらしてくれることが指摘されている。音楽鑑賞において我々は予定調和よりも“冒険”を期待しているのである。

 カナダ・マギル大学モントリオール医学研究所の研究チームが2019年2月に「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」で発表した研究では、実験を通じて音楽的な予想が外れることで脳の“報酬系”が形成され、学習に深く関係してくることを報告している。

ZME Science」より

 20人の実験参加者はそれぞれ音楽的な満足、あるいは不満足を予測してその結果を実際に聴くという課題を繰り返し、課題中の脳活動の様子がfMRIでモニターされた。

 こうして収集したデータと分析すると、予測が外れる「予測エラー」が脳の側坐核(nucleus accumbens)の活動に関係していることが明らかになった。この側坐核は特定の情報入力に対して報酬としてドーパミンを分泌させ、行動を学習・強化する“報酬系”の形成に大きな役割を果たしていると考えられている。

 これまでの研究で、食べ物やお金の獲得などの実益のある行動に報酬系が形成されることがわかっているが、今回初めて音楽のような美的な楽しみについても報酬系が形成されることが示されることになった。我々は食欲や金銭欲と同じように、音楽を楽しむこともまた本能的に求めていることになる。

 そしてこの音楽の楽しみとは、ある意味で予想をはぐらかされることであり、“一杯食わされる”斬新で新奇的な音楽体験なのである。我々は食べ物や富といった資源を周到に手に入れるべく世知辛くサバイバル競争を行なっている一方で、感動できる音楽体験という新たな体験についても心が開かれていることになる。アートへの興味関心もまた我々の本能に基づいているとすれば、今後の人類にもまだまだ可能性が広がっていると言えそうだ。

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