感動をリアルタイムで体験できる21:9
そうしてたどり着いたのが「21:9のシネマワイド体験」です。映像コンテンツを作る人にとって、21:9の画面は特別なもののようです。田嶋氏も「とにかく21:9にしたかった。感動を伝えるために常に新しい映像表現を追求しているシネマのコンテンツをお手本にして、その体験をモバイルに入れたいと思った」とシネマワイドの重要性を強調していました。
21:9の映像コンテンツは、Netflixがオリジナルコンテンツで21:9を採用するなど、増える傾向にあります。また、Epic Gamesの「フォートナイト」も21:9に対応。これは画面を引き延ばしたりしているのではなく、16:9、18:9のディスプレイでは見えない敵も21:9のXperiaなら見えるように対応しました。ゲームを有利に進めることができるのです。
また、今回「とにかく歯を食いしばって踏ん張った」(田嶋氏)のが、「穴を開けない、ノッチを付けない」ことでした。世界中の携帯電話市場ではiPhoneをはじめノッチ付きや、カメラレンズ部分をくり抜いたパンチホールディスプレイがトレンドとなっています。しかし、そこはXperiaの目指すコンセプトとは違うということで見送りました。
一方で、MWC19 バルセロナで非常に注目を集めた「フォルダブル(折りたたみ)」端末に関して、田嶋氏は「関心はすごくある」と発言しています。ただ、フォルダブル端末の大きな画面に映して使うものとして、現在では主に地図や雑誌などが提案されています。これは「ソニーの得意分野ではない」と語っていました。
「1」がフラッグシップ、「10」はミドルレンジ
今回発表された新モデルは、「Xperia 1」「Xperia 10」「Xperia 10 Plus」「Xperia L3 」の4機種です。
Xperia 1のカラーバリエーション。Xperiaらしいパープルも復活。
Xperia 10 Plus。10/10 Plusの国内投入については未定だが、「日本でもミッドレンジの需要があり、そこにも好きを極めたい人々がいるというのは分かっているので、これらを日本市場に導入することは検討している」(田嶋氏)とのこと
Xperia L3。低価格モデルで、5.7インチ液晶ディスプレイの画角は従来通りの18:9。日本での発売は未定。
モデル名の数字が、フラグシップは「1」、ミッドレンジモデルが「10」となっていますが、これは「1から10までが僕らの戦うコアのゾーン」という意味だと田嶋氏は説明していました。このゾーンの中でキーとなる商品を導入し、シリーズ化していくそうです。数字の法則は今後続いていくモデル名から判断してほしいとのことでした。
ちなみに、従来からXperiaは本体デザインについての評価が高く、開発者側からも毎回、デザインコンセプトについて詳しい説明があるのですが、今回はそういった説明はありませんでした。
「今回はデザインの名前は付けません。とにかく、21:9のシネマワイドの体験をハードウェアに入れたらこうなりました。21:9の板なんです。とにかく21:9がそのまま入っています。板です」と、田嶋氏はシンプルに言い切っていました。なお、シネマワイド体験を第一に考えた結果、指紋認証センサーは側面に移動しています。