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2019.03.13

弁護士5年目の本音「法の道に進もうと思ったきっかけは、あのドラマでした」高瀬法律事務所・菊地将太さん

弁護士の醍醐味、それは被疑者を信じること

刑事事件は時間を取られ、コストパフォーマンスが悪い。被害者に謝りに行ったりするのも負担だし、無罪を勝ち取ろうとすると、自分の足で証拠を捜したり。赤字になることもある。しかし醍醐味もあります。

刑事事件も被疑者を信じることが弁護士の仕事で、捜査官に囲まれている中で被疑者の主張を唯一、守る立場です。「私はあなたの味方です。本当のことをしゃべってください」最初に留置所で、アクリル板越しに被疑者と接見した時に、まずそのことを伝えます。

「オレはやっていない、無罪だ!」そう主張する人もいますが、捜査官に「どんなことを自供していますか」とか、探りを入れたりすると、被疑者が言ったことの端々に、ウソが見え隠れしてくる。

「ウソをつかれると、弁護を担当するものとしてあなたをカバーしきれません。私を最大限に使うためにも、真実を言ってください」担当する被疑者にはそう伝えるのですが。

ある時のことです。外国人と偽装結婚の容疑で逮捕された、20代の独身の女性を担当したのですが、「先生、本当のことを言います。私、妊娠しているんです」「えっ…」

被疑者は子供を宿していた。これは体調を優先して、適正な裁判をしてもらえるよう、働きかけなければならない。身寄りがほとんどいない女性でしたが、家の近所に仲良くしている中年の女性がいると聞いて。早速訪問すると、その方は地域の民生委員のような立場で、生活保護が必要な人の手続きの相談等にものってあげている。

「被告人の身元引受人をお願いできませんか」というこちらのお願いを承知してくれまして。出産後は子育ても手伝うし相談にのることもできると。

「でもねぇ、先生もご存知でしょうが、その要請はいささか……」起訴されると留置所から、拘置所に移送されるケースが多い。何とか在宅起訴にしてもらえないか、担当の検察官に要請すると、難しい顔をされました。身元保証人が他人だと、逃げてしまうのではないかと心もとない。「でも、被告人は妊娠している。被告人体調を考慮していただきたいのです」と口説いて。

結局、検察官が在宅での起訴を判断してくれ、被告の女性は執行猶予付きの判決が出て。無事、出産することもできました。

前編は主に刑事事件の弁護を取り上げたが、もちろん弁護士事務所に所属する弁護士の仕事は、ほとんどが民事事件の弁護活動。その割合は国選弁護の仕事が1としたら民事は9である。

お互いの利益がぶつかり合う民事事件には、絶対的正義などない。民事事件の文字通り泥臭い戦いのシーンは後編で。

取材・文/根岸康雄
http://根岸康雄.yokohama

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