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メンヘラ恋愛物語『生きてるだけで、愛。』原作小説と映画比較

2019.03.16

■連載/Londonトレンド通信

 花はほころび、野良猫は騒ぎ、バレンタインデーにホワイトデーが続く、生きとし生けるものがこぞってさかりだすかのような春、本谷有希子のメンヘラ恋愛小説『生きてるだけで、愛。』を読んでみた。

 この小説は、以前、ロンドンでのワールドプレミアをご紹介した関根光才監督による同名映画の原作だ。

映画『生きてるだけで、愛。』より

 小説も映画も、精神的に不安定な寧子と同棲している津奈木をメインにした、大筋では同じストーリーだ。生きづらさに苦しみ、そんな自分と向き合ってくれないことにいら立つ寧子に、それを受け流す、仕事だけで手一杯の津奈木、映画を観た際にもメンヘラの恋愛はこういうものかと思った。

 メンヘラとは、メンタルヘルスに問題がある人という意味のネットスラングだ。他人様を指して言うのははばかられる言葉だが、小説では寧子がその言葉の軽みを好んで使っているようなので、お墨付きを得たつもりでこうしてタイトルに持ってきた。

 実際に、小説はキャッチーでポップな響きもあるメンヘラという言葉がよくハマる。対して映画には、そんな言葉であしらってはいけないと思わせる重みがあった。ワールドプレミア時のQ&Aもシリアスに傾き、観客も重く受け止めているのが見て取れた。その違いはどこから来るのか。

 まず、大きいのは媒体の特性だろう。

 主人公、寧子のキャラクター自体は原作小説と映画でほぼ変わらず、演じた趣里の好演が光る。鬱で過眠症、いつも寝ている寧子は時に切れて暴れたりするが、鋭い感受性を持ち、ストレートな物言いがユーモラスでもある。

 寧子の語りとして読ませる部分が多い小説では感受性やストレートさが基調になるが、映画では寝ている状態や暴れる時の迫力が映像として強烈なだけ病んだ部分が強調される。

映画『生きてるだけで、愛。』より

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