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「高コンテクスト文化」の壁をブレイクスルーする思考法

2019.03.13

第1回「相手を動かす」異文化コミュニケーション術【全6回】

異文化、グローバル、海外、などと聞いた途端、「英語が苦手だから…」と考えてしまいがちです。しかし、グローバルリーダーとして、文化や言葉、価値観の異なる人たちにしっかり意思を伝え、理解してもらい、共に動いてもらうために必要な力は、実は「語学力」ではありません。

話す相手がたった1人でも、10人のチームでも、あるいは何百人の聴衆でも、彼らの心を捉え、共感してもらい、何らかの行動につなげることができるかどうか。つまり、言語が何であれ、相手に伝わり、相手を動かす異文化コミュニケーション術こそが、必要不可欠な力です。

異文化の人々、とは、価値観の異なるグループの人々、という意味です。同じ日本人でも、性別、世代、職種、地域、役職、家庭環境…などによって価値観は大きく異なります。ですから、異文化コミュニケーション術は、非日本人相手にはもちろんのこと、日本人同士でも使える、真のグローバルリーダー必須のスキルなのです。

本コラムでは、そんな異文化コミュニケーションスキルのコツをご紹介していきます。

「それは難しいです」は 却下? それとも見込みあり?

某在米日系グローバル企業で、ドイツ人部下B氏が日本人上司A氏に対して行ったプレゼンでのやり取りです。ある提案を行ったB氏に対し、日本人上司のA氏は「That’s difficult(それは難しい)」と伝えました。さて、一週間後、何が起こったでしょうか。

日本人なら、「それはちょっと難しいですね。。。」などといわれたら、「そうか、ダメなんだな」と理解してあきらめたり引き下がったりすることでしょう。

しかし日本に住んだこともなければ日系企業で働くことも初めてだったドイツ人部下B氏は、1週間後、自分の提案内容を大幅に改善すべく試行錯誤し、「難しいチャレンジもこれなら実現可能!」と、意気揚々と日本人上司にプレゼンをしました。これに対し日本人上司A氏は、「ダメと言ったのに分からんやつだな……」と言わんばかりに眉をひそめ、「We’ll think about it(まあ考えよう)」と伝えました。

B氏は、上司が自分の提案を再検討してくれる時期が一向に来ないことにだんだんイライラし、A氏に対する不満を募らせていきます。一方でA氏は、却下したはずなのにB氏がまだあきらめていない様子が見られ、B氏の「理解不足」にやはりイライラし、次のパフォーマンス評価では低い評価をつけようと考えました。

さて、この理解のギャップはどうして起こってしまったのでしょうか?

皆さんも、きちんとコミュニケーションしたつもりなのに、なぜか理解がズレてしまい、でもどこがどうズレたのか不可解……という経験はありませんか?

「言葉の文化」と「察しの文化」の違い

日本人同士でも、立場やバックグラウンドが異なれば価値観も大きく異なり、意思疎通が簡単ではないケースも多々あります。ましてや異文化の人々と意思疎通を図ることはそう簡単ではありません。「同じ人間なんだから根っこは一緒」と思うかもしれませんが、グローバルビジネスに携わっていると、根っこは意外と一緒ではないのだな、と思わされることも少なくありません。文化の違いは、価値観の違い、コミュニケーションや考え方の違いなどに大きく影響します。

文化には色々な定義がありますが、「あるグループに属する人々が暗黙のうちに共有したり習得している考え方、感じ方、価値観などのこと」であると言えるでしょう。

文化はいうならば氷山にたとえられます。つまり、見えている部分はほんの一部で、そのほとんどは水面下に隠れているのです。

日本は、氷山の見えている部分(発せられた言葉や目に見える表情、しぐさ、行動など)が非常に少なく、水面下の部分(隠れている価値観や暗黙の了解など)が非常に多く、ほんの少し発せられた言葉や表情、行動などから多くを察することが常識だとされる「察しの文化」だと言われます。異文化理論ではこれを「高コンテクスト文化」と呼びます。英語でももちろん、「Read between the lines(行間を読む)」という表現はあるのですが、それでも欧米は比較的、見えている部分が多く、水面下の部分が少ない氷山の形をしており、それは、見えている言動に頼ったコミュニケーション方法を取る、いわば「言葉の文化」と言われます。異文化理論ではこれを「低コンテクスト文化」と呼びます。

A氏とB氏の例は、まさにこの「高コンテクスト(察しの文化)」と「低コンテクスト(言葉の文化)」の違いから起こった誤解といえましょう。

A氏は、「難しい」と言えば、それは「No」の意味だと相手が察してくれる、との前提で話をしていました。日本の文化においては、直接的な表現を避けることで、コンフリクトや不調和を回避する傾向にあるため、「No」ではなく、「難しい」という婉曲的な表現をすることで、調和を崩さぬまま「No」の意図を伝えるのが「暗黙の了解」です。しかし、欧米の文化では、直接的かつ論理的なコミュニケーションをとる傾向にあるため、「No」という意図があるならばはっきりと「No」と伝えます。逆に言うならば、はっきりと言葉で表現されないならばそれは存在しないこと、または重要でないこと、と受け取られますから、「難しい」と言われれば、「ハイレベルな課題が与えられた」、つまり、「この難題をクリアできたらすごいじゃないか!チャレンジングだ!!」と、言葉通りに受けとってしまい、「No」どころか、「自分の高評価につながる良いチャンスだ!」との逆の理解が生じ、コミュニケーションの溝が広がってしまう原因となってしまったのです。

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