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社会不安が増大すると「笑点」の視聴率がアップし、もやしが売れるらしい

2019.03.06

政府から公表された1月の「月例経済報告」において、景気の総括判断は「緩やかに回復している」とされた。この発表をもって、2012年12月より始まった景気拡張期間が74カ月といざなみ景気の73カ月を抜き去り、戦後最長になったという。

が、「実感なき景気回復」と言われるように、生活者視点からすると、そこまで好況に感じられないのもまた事実ではないだろうか。

そこで今回、景気の実態を明らかにすべく、身近なデータで見た経済動向について論じたレポートが発表されたので、早速、紹介していきたい。

消費増税への不安から、「笑点」の視聴率がUP?

かねてより、「笑点」がビデオリサーチ社の視聴率調査における「その他の娯楽番組」部門で、週間第1位を取る回数が少ないと、四半期ごとに発表される実質個人消費が高まる傾向にあると言われている。逆に部門1位が多発していると個人消費が芳しくない可能性もある。

日曜の夕方に買い物やレジャーなどの外出をせず家でテレビを見る人が相対的に増える現象は、消費の悪化を示すサインと言えるからだ。

景気に陰りが見えてくると、「笑点」の明るい笑いで暗くなりがちな気持ちを吹き飛ばしたいという生活者の心を掴む面もあるだろう。

そんな視聴者心理からか、18年10~12月期で1位を獲得した回数は9回になった。これは東日本大震災の直後の11年4~6月期の10回以来の多さだ。

消費増税まであと1年を切ったことが将来不安をもたらしたのだろうか。なお、1~3月期は2月24日までの週時点で4回とやや多い回数を記録している。

この状況を裏付ける景気指標もある。2月の消費者態度指数(二人以上の世帯・季節調整値)は41.5になった。

これで9月分43.4、10月分43.0、11月分42.9、12月分42.7、1月分41.9、2月分41.5 と「笑点」の視聴率1位が増えてきた18年10月から連続して低下である。

景気が悪化すると、もやしの値段が上がる!?

もやしの購入金額は、景気が悪化した時や、生鮮野菜が天候要因などで高い時に多くなる。18年は6年ぶりの高水準になった。

18年通してみると、消費環境は主婦が節約に走りたくなる環境だったのだろう。但し直近の数字である18年12月は2カ月連続で低下、78円と17年8月の76円以来の低水準になった。幾分、生鮮野菜購入の環境に明るさが出てきたと考えられるだろう。

JRA 中央競馬の売上高、桜の早期開花予報など、身近なデータでは明るいものも多い

JRA中央競馬の売上高(売得金)の年初からの累計前年比は、2月24日までで3.0%増と堅調である。8年連続の増加に向けて好調なスタートを切っている。

また、2月上旬に開催されたさっぽろ雪まつりでは、大通り会場と、つどーむ会場を合計した観客数は273.7万人と、過去最高を更新した。

さらに、警察庁によると、18年の自殺者数は2万835人と、2万1千人を割り込んだ。9 年連続減少で20世紀の終わりの金融危機時からしばらく3万人台が当たり前だった時代とは隔世の感がある。

経済生活関連の自殺が景気回復、雇用環境の改善とともに減少していることが大きいのだろう。

加えて、ウェザーニュースが2月26日に更新した今年の東京の(靖国神社)桜の開花予想は3月21日になった。

18年の3月17日より4日遅いが、平年の3月26日より5日早い予想だ。日本気象協会は2月21日に更新した予想で3月20日としている。1953年から実施されている気象庁の生物観測調査で、東京の桜の開花が3月21日以前と早い時は13回あり、景気は拡張局面である。早く春が来ると春物も売れるし、お花見で人々の気分が高揚すると考えられるからだ。

時代の変わり目が事前に分かっていた2000年当時は、ミレニアム婚、ミレニアムベビーなどが話題

今年100歳の人でも、改元という時代の変わり目を迎える経験は、1926年の「大正」から「昭和」、1989年の「昭和」から「平成」、そして今年2019 年の「平成」から「新元号」の3回にすぎない。

改元はめったにない一大イベントである。今回は、天皇の崩御による代替わりではないので自粛ムードがみられないという特徴がある。

19年5月の新天皇陛下即位と改元は、新しい時代の到来ということで人々の気分を一新し、景気にとってプラス材料になると思われる。

現在のGDP統計は1980年まで遡れる。81年から18年までの1~3月期の前期比を高い順に並べると、第1位は平成に改元された89年、第2位はミレニアムの2000年である。

どちらも個人消費、設備投資がしっかりした伸び率になっている。時代の変わり目の「記念消費」などの効果は大きいようだ。現在も「平成最後の伊勢神宮参拝」をはじめ、「平成最後の……」と銘打った旅行などのサービス、商品などが人気である。

4月1日に新元号が発表されると、5月1日からの「○○最初の……」と銘打ったサービス、商品も出よう。時代の変わり目の「記念消費」の効果は大きいとみられる。

新時代へ移行する過渡期ならではの需要が期待されている

また、新元号や2000年問題に対応するための設備投資も必要になったのだろう。時代の変わり目が事前に分かっていた2000年当時は、ミレニアム婚、ミレニアムベビーなども話題になった。

婚姻件数の前年比の推移をみると、99年▲2.9%、2000年+4.7%、01年+0.2%、02年▲5.3%、03年▲2.3%である。+4.7%は1961年以降2018 年の58年間で、71年+6.0%、93年+5.1%に次ぐ3 番目に高い前年比である。

出生数の前年比の推移をみると、99年▲2.1%、2000年+1.1%、01年▲1.7%、02年▲1.4%、03年▲2.6%である。1999年から2018年の最近の20年間でプラスの伸び率になったのは4 分の1の5年だけ、他は2006年+2.8%、08 年+0.1%、10 年+0.1%、15 年+0.2%である。

ミレニアム婚、ミレニアムベビーの影響が大きかったことがわかる。

昭和から平成への代替わりと異なり、今回の改元は事前にスケジュールがわかっている。2000年当時と同じく、改元に合わせた新元号婚や新元号ベビーの誕生が期待できるだろう。またそれに合わせた個人消費の増加も予想される。

出典元:三井住友アセットマネジメント

構成/こじへい

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