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楽観主義者は身体の痛みに対する感受性が低い?

2019.03.01

楽観主義は痛みを軽減する? 米研究

慢性疼痛に対処するには、楽観的に物事を捉えることが重要かもしれない。

米ミシガン大学アナーバー校のAfton Hassett氏らの研究から、約2万1,000人の退役軍人のうち、海外に派兵される前から気持ちが前向きだった人では、派兵された後に新たな背部痛や関節痛、頻繁な頭痛などの痛みを経験する頻度が低かったことが明らかになった。

この研究結果は「JAMA Network Open」2月8日オンライン版に発表された。

米陸軍のデータを用いたこの研究では、2010年2月~2014年8月にアフガニスタンまたはイラクに派遣された米軍兵士2万734人(平均年齢29.06歳、男性87.8%)を対象に、派遣前後の心理的な健康度を評価した。

その結果、米軍兵士の37.3%が、派兵されて以降に1カ所以上の身体の部位で新たな疼痛を経験したと報告した。

新たな疼痛が起こった部位の内訳は、背部痛が25.3%、関節痛が23.1%、頻繁な頭痛が12.1%だった。

このほか、今回の研究からは、ある程度の楽観主義でも、海外派遣後の痛みの発生が抑えられることが明らかになった。

このことは、完全な楽観主義者ではなくても、ある程度、楽観的な思考の持ち主であればメリットはあることを示している。

解析の結果、楽観性の評価スコアが1点上昇するごとに、派兵されて以降、新たな疼痛を経験する確率が11%低下することが分かった。

また、楽観性が高い兵士と比べて、楽観性が低い兵士では、新たに関節痛または背部痛、頻繁な頭痛のいずれかを経験したと報告する確率が35%高かった。

さらに、ある程度、楽観的な思考を持っていた兵士と比べて、楽観性が低い兵士では新たな疼痛リスクが高いことも分かった。

Hassett氏は「驚いたのは、楽観的な思考と痛みの軽減との関連は、戦闘によるストレスや外傷などの経験を考慮しても認められたことだ」とした上で、「兵士だけでなく、一般の人も前向きな姿勢を保つことで、同じような作用が期待できる。陸軍兵士の経験は一般の人からはかけ離れているが、楽観主義でいることが疼痛に対して保護的に働くことを示した論文は数多い」と説明する。

また、「楽観主義者では痛みの感受性が低く、痛みがあってもそれにうまく適応できる人が多い」と付け加えている。

しかし、今回の研究では精神疾患の有無が考慮されていなかったほか、疼痛に関するデータも限られていた。また、楽観主義自体が慢性疼痛リスクを低減することを証明するものではない。

米国疼痛医学会会長のJianguo Cheng氏は「楽観的に物事を捉えることは、慢性疼痛に対処する上で有効な手段になりうるだろう。

このことは、精神状態が、身体的な健康にも影響することを改めて明確に示したものだ」と説明している。

また、「楽観的に考えるトレーニングを通して、ストレスやトラウマになるような出来事に備えることもできる。さらに、既に慢性疼痛に苦しんでいる人であっても、ポジティブな思考法を身に付ける認知行動療法によって疼痛を緩和できる可能性がある」としている。

ただし、Cheng氏は「疼痛治療には、薬物療法に加えてトークセラピーや理学療法、場合によっては手術など、さまざまな方法を組み合わせた個別化治療が必要だ」と指摘している。

その上で、「疼痛の管理は多元的に行うべきであり、通常は一つの治療法だけでは効果は期待できない」と話している。

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2723643

構成/編集部

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