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2019.03.03

「フェイク笑い」は聞き分けられるってホント?

 いわゆる“フェイクニュース”が問題になっている一方で、笑いを誘う“風刺ニュース”にも根強い人気がある。思わすクスリと笑いがこみ上げるニュースの見出しはどのように作られているのか。その秘密のメカニズムが徐々に解き明かされているようだ。

ユーモア溢れる風刺を作り出すメカニズムを解明

 優れた風刺の“原材料”は何なのか? この問題に取り組んだ研究チームが2018年1月31日に開催されたアメリカ人工知能学会 (AAAI) が主催する国際人工知能会議で発表を行なっている。

 スイス連邦工科大学ローザンヌ校のロバート・ウェスト氏とマイクロソフトのエリック・ホロビッツ氏は、ニュースの見出しなどで風刺の効いたフレーズをどのように作成できるのか、AI(人工知能)がそのメカニズムを解明したことを報告している。

 研究チームはさまざまなニュースのヘッドラインを収集して比較検証し、ちょっとした言葉の入れ替えで真面目な見出しが風刺に変わったり、逆に興味を惹くフレーズが退屈な文言になったりするいくつかのパターンを発見した。

Science News」より

 笑いを誘う見出しのほとんどは、研究チームが“誤った類推(false analogy)”と呼ぶ共通の論理構造を持っていた。例えば一文の中で大きな意味を持つ単語を別の言葉に入れ替えることで、風刺が利いたり、逆に退屈になったりするのである。

「BPが石油掘削(oil drilling)再開へ」

「BPが石油流失(oil spilling)再開へ」

 BPはエネルギー会社のブリティッシュ・ペトロリアムのことで、2010年メキシコ湾原油流出事故を引き起こしている。石油掘削(oil drilling)を石油流失(oil spilling)に入れ替えることで、風刺が利いた一文になるのだ。入れ替える言葉はお互いになるべく相反する意味を持つ言葉のほうが効果的で、例えばモダンな言葉vs時代錯誤な言葉、人間にまつわる言葉vs動物にまつわる言葉、上品な言葉vs下品な言葉、などである。

 この“誤った類推”のメカニズムを理解することで、高尚なフレーズを、“貧乏くさい”笑いを誘う一文に変えることもできるという。

「2018年のボルドーワインは近年稀に見るブドウの豊作の恵みを享受した」

「2018年のペプシコーラは近年稀に見るコーンシロップの豊作の恵みを享受した」

 もちろんAIが独力でこうした風刺やユーモアの利いた一文を書けるようになるためにはまだまだ研究が必要だということだが、我々が風刺をひねり出すうえにおいても有益な研究であることは確かだ。気の利いた風刺に思わずほくそ笑む機会が増えて迷惑だと言う人は少ないのではないだうか。

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