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何でだろう?と思って見ない限り新しい発見は生まれない!動物園を100倍楽しむ方法

2019.03.03

弱い個体がツノで殺られないためには?

飼育スペースに適した数の飼育は大切で、特に群れで飼育するメスのタールは、数が多過ぎると槍のように尖ったツノで、弱い個体を刺すことがあります。ツノで刺されたメスが死ぬケースは過去にかなりあって。僕が担当してからも、動きが鈍くなったおばあちゃんタールが朝、倒れて死んでいたという事故が一回ありました。

「ツノは危ないから、考えた方がいいんじゃないか」「メスのツノも丸く削ったほうが安全じゃないかな」そんな獣医さんのアドバイスもありますが、僕はタールのツノはかっこいいと思っています。本来、動物園の動物は形を変えずにお客さんに見てもらいたい。ツノをそのままにしても事故なく展示するには、個体数の調整だと考えていました。

おばあちゃんタールが死んだのが去年の春で、タールのメスの群れは8頭から7頭に減った。すると、メスがツノで他の個体を傷付ける事故がピタッとなくなりました。8頭の時は弱い個体が追いかけ回され、他のタールに近づきすぎ、そこでも追いかけられ、ツノでやられるというパターンでした。

7頭だと追いかけられても、他の個体に近づきすぎることがないので、タール同士のツノの事故がない。今の飼育場の広さでタールのメスの群れを飼育するには、7頭が限界だ。その数ならツノを削らなくても大丈夫だなとわかってきました。

フェブと仲良くやるアプローチ

ツノといえば、ムフロンのオスは立派なツノがありますが、生まれて1ヶ月半で小指の先ぐらいのツノが出てきます。冬の間はツノの伸び方が遅いのは発見でした。それが春になると、タケノコみたいにワッーと成長します。3年で70㎝ほどになる。ツノが大きくなるに従い、しっかりと食べて体も大きくなり、メスの気を惹く姿になります。

そのムフロンのメスたちは今、ちょっと落ち着かない状態です。前はサトミというリーダー格のメスがいて。サトミは飼育員が近づいても逃げず、どっしりしていたので、他のメスも落ち着いていました。ところがサトミが昨年春に死んで、群れに落ち着きがなくなった。

屋外の飼育舎の掃除で音を立てると、群れがバーッと走り回ったりする。それが原因で段差に躓いたりして、ケガをすることも考えられます。なんとか群れの落ち着きを取り戻さなければいけない。

要はサトミのように、群れの中で最初に動き出す個体です。それが今はフェブというメスで、このムフロンがどっしりしていれば群れ全体も落ち着きます。それにはある程度、フェブと飼育員が親近感を持たなければ。今、フェブが僕の近づいた時、ペレットを足元に撒いたりして、彼女と仲良くやるアプローチを試みています。

「動物の行動を発信するシグナルととらえ、“なんでだろう”と常に自分に問いかけないと、“発見”はない」飼育員になった当初、先輩に教えられたこと今も基本になっています。ムフロンとタールの群れでの飼育と繁殖のマニュアル化には、その言葉が僕の飼育員としての羅針盤です。

動物園の赤ちゃん秘蔵ショットを公開!

多摩動物園では1月29日に3匹のアムールトラの赤ちゃんが誕生した。残念ながら誕生後に2頭が亡くなってしまったが、現在オスの赤ちゃん1頭を飼育中。公開日などは掲載時点では未定とのことだ。

取材・文/根岸康雄
http://根岸康雄.yokohama

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