人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

企業の相談窓口設置義務化で増大傾向にある「精神的攻撃型パワハラ」は減るのか?

2019.02.25

厚労省が6月の通常国会に「企業のパワーハラスメント相談窓口設置の義務付け」を提出することを決めた。可決されれば、来年再来年にも窓口設置が義務化されることになる。スポーツ界で後をたたないパワハラだが、ビジネスの現場では実態はどうなのか。

殴る、蹴るは減っているが、「精神的攻撃型パワハラ」は増大傾向

平成24年の厚労省の「職場のパワーハラスメント実態調査」では、パワハラを6つに分類している。1つ目は暴力を振るわれる「身体攻撃型パワハラ」、2つ目は侮辱する、脅すなどの「精神的攻撃型パワハラ」、3つ目は仲間外れや無視などを行う「人間関係からの切り離し型パワハラ」、4つ目は到底無理なノルマを課せられたりする「過大な要求型パワハラ」、5つ目はずっとコピー取りをさせるだけで仕事を与えないなどの「過小な要求型パワハラ」、6つ目は女性に対して行われることが多くセクハラともいえる、仕事が終わった後もLINEや個別メールが来たりする「個の侵害型パワハラ」がある。

このうち、スポーツ界で多い「身体攻撃型パワハラ」は減っていて4.3%に過ぎない。55.6%と増えているのは「精神的攻撃型パワハラ」。労働局に入って来る各都道府県の相談窓口に来る相談は、いじめ、嫌がらせが6年間で一番多い。その中にはパワハラに該当するものから、適切な指導であってもパワハラと訴えているものまで含まれる。上司の言い方が傷ついたからパワハラだと言っているケースが増えている。

問題は、管理職がパワハラと言われることを怖がって、指導をせず放置しているケースが増えていることだ。部下が指示に従わない、何度言っても問題行動が改まらないなどのケースは指導をしなければならない。

一方、人を育てる意識のないマネージャーが増えている。上司は部下がちゃんと仕事ができるようにアイデアを考えたり、情報提供したりしなければならない。そうではなく、叱り飛ばす、怒鳴り散らすことを指導だとはき違えている上司がいる。ちょっと言えば伸びる人もいれば、成長の度合いには個性があることを念頭に置かなければならないだろう。

業務が忙しく時間の余裕がない、さらに上のマネージャーが何もしないなど、会社の構造的問題があるケースもある。

場合によっては上司は懲戒処分になることもある。

「精神障害の労災に関するデータ」の請求件数が伸びている!

「精神的攻撃型パワハラ」の例は、「死ね」「殺す」などの暴言、「お前は何の役にも立たない」などの人格攻撃、「あなたは必要ない」、無視などの存在否定が挙げられる。

「死ね」「殺す」を繰り返し言っているケースでは、言われた側のダメージが大きい。「精神障害の労災に関するデータ」では、請求件数が伸びており約1600件の請求があり、昨年度約500件が認められた。暴言で働けなくなってしまった、自殺に追い込まれたなどのケースがこれに当たる。

言われた側は思考停止になり、「理不尽だ」というきっかけをなくしてしまう。最初は言っている方も大したことを言ってないが、だんだんエスカレートしていく。やっている側はパワハラの資格が無い。「ちょっときついことを言ったかもしれないが、これは指導だ」と言う。

パワハラは同僚同士にもある。自分の方が経験豊富だと「こんなこともできないの」と言ってしまう。

パワハラではないグレーゾーンが多い。だが、部下が耐えられなくなった状態をつくったことも問題がある。

パワハラを止めさせるには?

では、パワハラを止めさせるにはどうしたら良いのか。大切なのは、1人で抱え込まないこと。信頼できる人に相談するのが一番だ。職場にパワハラ相談窓口があれば、そこに相談するのが良いだろう。無ければ、厚労省の「明るい職場応援団」に相談すれば良いだろう。

訴訟は何年もかかる。精神的負担も大きい。ケガを負わされたなど明らかに訴訟すべきケースは別だが、裁判の前に会社を交えて上司と話し合う機会を持つことが重要だろう。裁判よりも軽微な調停に近い「労働審判」というものもある。

復讐をしたいという気持ちは理解できるが、裁判を起こすのであれば、その後の自分の人生を良く考えることが必要だろう。

構成/稲垣有紀

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2019年11月15日 発売

DIME最新号の特別付録は「スタンド一体型簡易スマホジンバル」!今年から5年先のトレンドまで丸わかり!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。