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2019.02.27

なぜ人は反対意見に触れると意固地になるのか?

 信念や信条にのみ従って生きることは不可能ではないかもしれない。しかし今日の高度情報化社会ではさまざまな意見や見解を柔軟に受け入れる態度も求められている。反対意見であっても無下に拒絶せずによく検討してみればより良い意思決定に繋がるかもしれないが、話はそう単純ではないことが最新の研究から報告されている。我々は反対意見を検討してみればみるほど、皮肉なことに寛容ではなくなっていくというのだ。

反対意見を検討するほど持説に固執するようになる

 特にアメリカを筆頭に政治的分極化(political polarization)が進んでいると言われている。いわゆる“社会的分断”を招き、民主主義を揺るがすと言われるこの政治的分極化を食い止めるにはどうすればよいのか。

 持説に固執せずに柔軟でより開かれた政治的態度の鍵になるのが、相手の立場になって考えてみる「パースペクティブ・テイキング(perspective taking)」であるといわれている。相手の視点から物事を考えてみることで、我々は社会の分断を回避できるのだろうか。

 しかし最新の研究では、このパースペクティブ・テイキングに疑いの目が向けられている。我々は反対意見を検討したほうが、持説に固執するようになるというのだ。

Science Daily」より

 米・スタンフォード大学経営大学院の研究チームが2019年1月に「Psychological Science」で発表した研究では3つの実験を通じて、反対意見の検討がその後の政治的意思決定に及ぼす影響を探っている。

 実験の1つでは巨大掲示板「Reddit」で募った484人の参加者に対して、人物プロフィール情報の提出を求めると共に、導入について議論が行なわれている国民皆保険(universal health care)に対する評価(100点満点)を下してもらった。

 参加者の半分には、その後の議論で交流する可能性のある人物の人物データと共に反対意見(それぞれの参加者の意見に反する意見になるように操作されている)を知らせて次の課題までよく検討してみることを求められた。

 その後、すべての参加者で国民皆保険の導入に関する議論を行なったのだが、反対意見を検討したグループのほうが持説を変えず、受容性が低くなっている傾向が浮き彫りになったのだ。

 今回の研究は反対意見はその意見を持つ人物のことを知らないほうが、素直に検討できることもまた示唆している。確かにそれを主張する人間が嫌いなためにその意見を拒絶しているケースもあるのかもしれない。こうしたことに意識的になるのはなかなか難しいとも言えるが、なるべく人物と意見は切り離して考えるようにしたいものだ。

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