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2019.02.22

パワハラ上司との賢いつきあい方「話し合おうとしないこと」

■連載/あるあるビジネス処方箋

 私は仕事柄、パワハラに関する記事には頻繁に目を通すのだが、かねがね疑問で仕方がないことがある。それは、パワハラをしてくる相手が話し合える人であるのかどうか、つまりは、まともな人であるのか、と考える視点が欠落した記事が実に多いことだ。

 だからこそ、パワハラをする上司やその被害を受ける部下が「珍しいこと」となり、「ニュース」となる。私は、実は「ニュース」となるほどに新鮮なことではないように思う。むしろ、分かち合えないがために双方で言い争い、小競り合い合いのようなことが無数に起きているのが、企業社会なのではないか、と思う。

 私の経験論を紹介したい。たとえば、社員数でいえば、300~400人以上の中堅出版社で20年以上、雑誌やムックの編集に関わっていた編集者が40代になり、書籍編集者になることがある。左遷の可能性が高い。この人たちと書籍編集について深い話し合いをすることは、まず不可能だ。40代であろうとも、未経験者に近い。仕事の知識や情報、ノウハウは相当に乏しい。20代の書籍編集者とさほど変わらない。

 書籍の編集経験が豊富な人がこういう人たちと深く話し合おうとすると、そこには「克服しがたい壁」を感じるはずだ。事実、私の周りにいるベテランの著者やデザイナー、印刷会社の営業マンなどは得てして、このような書籍編集者に不満を持っている。「何を考えているのか、わからない」「言っている意味が理解できない」などだ。

 ここで何がなんでも分かち合うとすると、双方で感情的な摩擦になりやすい。なおも、この場合の著者やデザイナー、印刷会社の営業マンなどが、未熟な書籍編集者を理解させようとすると、ほぼ間違いなく、トラブルになる。大切なことは、「この人はこのレベルなのだ」とあきらめ、引き下がることだ。これは相手を侮辱するのではなく、軽視することでもない。むしろ、「このレベル」と認めて、一定の敬意を払うがゆえに、引き下がるのだ。実は、引き下がったところで著者やデザイナー、印刷会社の営業マンなどが大きな損をすることはほとんどない。

 相手のレベルを認めることなく、こちらのレベルを基準に話し合いを続けることこそ、侮辱的な行為なのだと私は思う。未熟な書籍編集者からすると、「なぜ、発注者である自分にここまで言ってくるのだろう」と怒りに近い感情を持つかもしれない。パワハラが生まれる背景には、このようなあつれきがあるのでないか、と私は思う。本来は、このような視点でビジネスにおける人間関係をとらえることが健全なのではないか。つまり、「この人とは、分かち合えない」と割り切ることである。

 私の経験でいえば、社員数100人以下の中小・零細出版社などにいる編集者とも、雑誌にしろ、書籍にしろ、深い話し合いをすることはなかなか難しい。もともと、新卒や既卒、中途の採用試験の難易度は同一業界の大手企業と比べると、概して低い。何かの点で見劣りする人が入社している可能性が高い。

 しかも、慢性的に定着率は低い。管理職や役員になるハードルが高い、とは言い切れない。倍率でいえば、相当に低いはずだ。こういう中、20代~30代前半までの人生育成のもっとも重要な時期に、「指導」や「教育」の名にふさわしいことが行われているのかといえば、意見のわかれるところだろう。仮に「指導」や「教育」が大企業レベルに行われているのならば、20代~30代前半の社員の仕事のスキルなどはもっと高いはずだ。

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