社員一人一人の現状レベルの把握と成長目標の明確化
次にこの「経営計画」を推進し、成果を導き出せる人材になってもらうための目標や役割を具体的に明記した「評価基準」を作成します。この社員の成長の指針となる「評価基準」で社長やリーダーが評価を行い、社員一人ひとりの現状のレベルとこれに応じた成長目標を明確にするのです。そして、成長した結果、昇給や賞与にどう跳ね返ってくるのか、具体的な金額を「賃金制度」として明示します。
こうした取り組みを行うことで、社員は自社がどこに向かっていくのかを把握でき、その方向性と一致した自身のキャリアと合わせた具体的な目標を持つことができるようになるのです。
“まずあなたの会社をどうしたいか”
出発点はここからです。
社員一人ひとりに個別に対応するのではなく、会社のビジョンを掲げることが、あなたの会社の魅力と価値を高める第一歩なのです。
文/山元浩二(やまもと・こうじ)
日本人事経営研究室株式会社 代表取締役
https://jinjiseido.com/company/yamamoto.php
10 年間を費やし、1000 社以上の人事制度を研究。理念とビジョンを実現するための人材を育成する「ビジョン実現型経営計画」を開発、独自の理論をコンサルティングで展開する。「経営計画」と「人事評価制度」の設計・導入から運用まで支援するスタイルが特徴で、社員の納得度が9 割を超えるなど、経営者と社員双方の満足度が極めて高いコンサルティングを実現。著書に、『小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方 「やる気のある社員」が辞めない給与・賞与の決め方・変え方』(日本実業出版社)、『図解 3ステップでできる! 小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方』 (あさ出版)、『改訂版 小さな会社は人事評価制度で人を育てなさい! 』(KADOKAWA)などがある。