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2019.02.16

5Gはどこまで盛り上がる?スマホはどう変わる?IT業界の2019年を占う

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は「CES2019」について議論します。

「5G」がテーマでも具体的な動きは見えず

房野氏:新年最初のテクノロジー展示会「CES 2019」はいかがでしたか? 石野さんと石川さんは現地ラスベガスへ取材に行かれましたね。

房野氏

石野氏:いやぁ、本当にね、モバイルの話題がまったくなかった。ないことはないですけど、ついつい原稿も変態端末ネタに走ってしまい……っていうのは半分冗談なんですけど(笑) CESの主要テーマの1つとして5Gが連呼されていて、CESの概要を話す基調講演でも5Gを謳っていたんですけど、蓋を開けてみると、5G絡みの展示が全然なく、がんばっていたのはクアルコムくらいな感じ。インテルもちょろっと出してましたけど。

 バズワードとして5Gを使いたいのはわかるんですけど、展示内容が伴っていないなと、すごく感じました。モバイルが本当になくて、今回あそこで発表されたものでスマートフォンはないんじゃないかなってくらいのレベルだった。だから折れ曲がる有機ELディスプレイの端末(Royolの「FlexPai」)が注目されたと思うんですけど、モバイルの観点だとインパクトが弱かったなって感じでしたね。

石野氏

石川氏:今年前半に5Gがサービスインする、しかもVerizonとAT&Tがサービスインして、サムスンが5G端末を出すという中で、もっと具体的なソリューションや製品があってもいいのかなと思ったんです。でも、Verizonの基調講演を聞いてもモヤッとしているというか、遠隔医療と、ドローンと、コンテンツエンターテインメントで5Gを活用したいって話をしたんですけど、あくまで活用したいって話だし。

石川氏

石野氏:どこかで聞いたことがある話ですよね。

石川氏:そうそう。ラボを作りますっていう話だったりとか、いまさらそんな話してるの? って次元でしかなかった。キャリアの展示はほぼなかったし、唯一、T-Mobileが展示していたんですけど、それが600MHz帯で5Gの電波を飛ばしますというもの。それって5Gかもしれないけど、全然スピード出ないじゃんっていう話だったり。Verizonの基調講演で「去年、一部では5Gをスタートして、最初の5Gユーザーとつなぎます」ってことで中継したんですけど、そのユーザーは5Gを固定回線代わりに使ってるんですよ。速度をチェックしてみたら600Mbpsくらい出ていて、ふーん、5Gの活用事例はいいんだけどさ、みたいな。固定回線の代わりって、結局、何も新しいことをやっていないじゃんという壮大なオチがついた。

 みんな5Gと言っているけど、正直どう使っていいのかわからないんだろうなと感じました。アメリカは国土が広いから、5Gを固定回線の代わりに使うということがあるし、中国もその用途があるからいいんですけど、日本で固定回線の代わりとしてのニーズはごくごく一部でしかない。UQコミュニケーションズとかが狙っている市場の置き換えにしかならない。日本は5Gが1年半後に始まるまで時間を稼げるけど、本当に5Gで何ができるかを真剣に考えていかないと厳しいんじゃないかなと感じたCESでした。

【参考】5G時代に向けて始まった国奪り合戦!楽天に勝算はあるのか?

石野氏:ニーズとユースケースを一緒に作っていこうとしているんですけど、どのキャリアも言っていることが同じ。今まさに石川さんが話されていた通り、ドコモもKDDIも、ソフトバンクでさえ同じことを言っている。正直、面白味がないというか、ワクワク感がまったくないんですよね。やっぱりネタ切れになっているというか。

 LTEのときもそうだったんですけど、結局iPhoneが出てきて、ここまでインフラ競争が進んで、みんなこぞってスマートフォンに変えてきているという流れがあるので、やっぱりキーデバイス的なもの、象徴となるデバイスが必要だと感じました。そうなるとサムスンの2月20日の発表に期待したいなってところです。

 あと、CESをフォローするわけではないんですけど、さすがにMWCの1か月半前で、あそこで各メーカーがスマートフォンなり5G製品だったりを出す余力はないでしょう。さらに今年に関しては米中貿易戦争が過熱したから、中国メーカーがやっぱり元気がなかったんですよ。そういうことを踏まえても、CESで製品の発表を期待するのは……。まぁ中国抜きにして、モバイルのことが不可能な状態なんで、そこでCESをどうこう言うべきではないのかなって気もしますね。

【参考】中国でのiPhone販売差し止め問題の真相は「アップルvsクアルコム」

石川氏:そもそもモバイルに期待しちゃいけない展示会。じゃあ、モバイル以外で新しいトレンドで何が見られるのかとなると、やっぱり思ったのがGoogleはすごいなっていうこと。金の使い方が尋常じゃない。Googleのブースは外だったんですけど、1つのアトラクションを作った感じだったんですよ。

石野氏:“イッツ・ア・スモールワールド”。

石川氏:それを作っちゃったみたいな感じ。2階建てになっていて、上にジェットコースターまではいかないけど、電車みたいなものがグルグル走ってて、その中でいろんな人形が動いてる。それを見てファンタジーの世界を味わいつつ、最後に「OK Google」で写真を撮ってもらって、撮った写真は出口にモニターがあって、そこでQRコードをかざすと写真がメールで送られてくる、みたいな感じになっていた。人が乗るコースターが回っていたので、土台もイチから作ってるんですよ、たぶん。コンクリートを全部敷いて、作ってるところを見ると、たぶん本当にかなりのお金をGoogleはCESの会期3~4日のためにつぎ込んでいる。

石野氏:家1軒建てたって感じですよね。

石川氏:相当時間もかけてるし。ただ全体を見ると、GoogleとAmazonの“いかに家電をつないでいくか競争”になっている。今回、Amazonもメイン会場で展示をしていたので、GoogleとAmazonの覇権争いが面白いなと思いつつ、遠くのほうを見るとAppleの広告がドーンと出ていて、「What happens on your iPhone,stays on your iPhone(あなたのiPhoneで起きることは、あなたのiPhoneにとどまります)」という内容のメッセージが出ていた。あれってGoogleがクラウドに情報をバンバン上げていることに対抗するメッセージだったりする。だからAppleもだいぶCESが気になっているというか。テレビメーカーとの提携、AirPlay 2の発表をこのタイミングでしてきたというのは、Appleとしても家電連携を考えるとCESは無視できないけど、いまさら参加するのも、ちょっと恥ずかしい、照れくさい、みたいな感じがあるので、遠くの方からこっそりと見ていたという感じ(笑)

石野氏:Appleがブースを出してたら、かなりビックリなんですけど。

石川氏:入ってこられない感があるじゃないですか。

法林氏:AirPlay 2に関して言うと、せっかくいいモノを持っているのに、出せていないというか。海外では非常に利用価値が高いと思う。

法林氏

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