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2019.02.13

「インフルエンザの罹患によって脳梗塞や頸動脈解離リスクが上昇」米コロンビア大学調査

インフルエンザに罹患すると脳梗塞や頸動脈解離のリスクが高まる可能性があることが、国際脳卒中学会(ISC 2019、2月6~8日、米ホノルル)で発表された2件の研究で明らかになった。

これらの研究結果は、インフルエンザの感染だけでなく、重篤な合併症から身を守るためにも予防接種を受けるよう注意を促すものだという。

最初の研究は、米コロンビア大学のAmelia Boehme氏らによるもの。ニューヨーク州全域の入院患者および外来患者のデータベースを用いて、2014年に脳梗塞を発症した男女3万912人(平均年齢71.9歳、男性49%)を対象に調査を実施した。

その結果、インフルエンザ様疾患の罹患から15日間にわたり、脳梗塞リスクが約40%上昇することが分かった。

脳梗塞リスクはこの期間が最も高く、時間の経過とともに低下したが、最大で1年間続いていた。

また、Boehme氏らの予測に反し、インフルエンザ様疾患と脳梗塞発症との関連は、性別や住居地域(都市部と地方)、人種(白人と黒人)による差はみられないことも明らかになった。

これまでの研究で、重症感染症に罹ると脳梗塞リスクが高まることが示されていた。

Boehme氏は「脳梗塞リスクがもともと高い人は、インフルエンザの罹患が発症のきっかけになる可能性がある」と指摘する。

ただし、この研究はインフルエンザの罹患で脳梗塞リスクが高まることを証明するものではない。

専門家の一人で米レノックス・ヒル病院のSalman Azhar氏は「この研究で重要な点は、インフルエンザに罹ると脳梗塞のリスクが高まるだけでなく、そのリスクが数カ月の長期にわたることだ」とし、「だからこそ予防接種が重要で、インフルエンザの罹患後には患者を慎重に観察する必要がある」と述べている。

また、同氏は、インフルエンザなどの感染症に伴う炎症が、脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくするのではとの見方を示している。

もう一つの研究は、同大学のMadeleine Hunter氏らが実施したもの。Boehme氏らの研究と同じデータを用いて、非外傷性の頸動脈解離を起こした男女3,861人(平均年齢52歳、男性55%)を対象に調査を実施した。

頸動脈解離を起こす前の3年間で、対象者のうち1,736人がインフルエンザ様疾患に罹患し、そのうち113人がインフルエンザと同定された。

その結果、頸動脈解離を起こす1~2年前に比べて、発症から30日以内にインフルエンザ様疾患に罹患する確率が高いことが分かった。

これまでの研究で、非外傷性の頸動脈解離は15~45歳の脳卒中の主な原因であることが明らかになっている。

ただし、大きな外傷もなく、頸動脈の解離がどのように起こるのかは分かっていないという。

Hunter氏は「頸動脈解離のリスクはインフルエンザ様疾患を発症後、時間の経過とともに消失していくことが示された。この結果は、インフルエンザ様疾患が頸動脈解離の引き金になる可能性を示唆している」と説明している。

これら2つの研究をレビューした米ニューヨーク大学医学部内科教授のMarc Siegel氏は「インフルエンザに罹患すると過剰な免疫反応を引き起こし、血液凝固や頸動脈の損傷につながる可能性がある。

インフルエンザの問題は、インフルエンザに罹ること自体ではなく、生命に危険を及ぼす合併症を引き起こすことだ」と述べ、予防接種が重要だと呼び掛けている。

なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

(参考情報)
Press Release
https://newsroom.heart.org/news/flu-flu-like-illnesses-linked-to-increased-risk-of-stroke-neck-artery-tears

構成/編集部

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