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2019.02.13

激化する日本代表アタッカー陣のサバイバル!移籍で巻き返し見せる香川&乾、今週末新天地デビューの中島&伊東

 8年ぶり5度目のアジア王者を狙いながら、ファイナルで伏兵・カタールに敗れ、あと一歩で涙を飲んだ2019年アジアカップ(UAE)の日本代表。絶対的1トップ・大迫勇也(ブレーメン)に依存した攻撃、堂安律(フローニンゲン)や南野拓実(ザルツブルク)の得点力不足など、数多くの課題にも直面した。6月のコパ・アメリカ(ブラジル)や今秋から始まる2022年カタールワールドカップアジア予選に向け、森保一監督はより多くの戦力をテストし、選手層を厚くしていく必要がある。3月と6月のテストマッチ4試合では、大胆なメンバー選考・抜擢も求められてくるだろう。

鮮烈なデビューを飾った香川だが、現状では「トップ下の2番手」

 そこで注目されるのが、冬の移籍期間に新天地を見出した海外組。とりわけ期待が高まるのが、森保体制で一度も呼ばれていない香川真司(ベシクタシュ)だ。トルコデビューとなった2月2日(日本時間3日)のアンタルヤスポル戦で3分間2ゴールの離れ業をやってのけたことで、彼の高度な技術と戦術眼、フィニッシュの精度が錆びついていないことが明らかになった。 今季ボルシア・ドルトムントで半年間も構想外に近い扱いを受け、本人も「体は万全なのにメンバーとして考えられていないというのは非常に屈辱的で、悔しい気持ちをつねに抱えながら暮らしてきた。2019年は純粋にサッカーがしたい」と昨年末の帰国時に苦しい胸の内を吐露していただけに、ようやくピッチで躍動できる環境を得られたのは間違いない。

 ただ、スタメンが有力視されていた9日のブルサスポル戦でも後半22分からの出場にとどまったのを見ると、セノール・ギュネシュ監督から絶対的中心とは捉えられていない様子だ。香川がプレーした時間帯は、今季頭からベシクタシュのトップ下を担ってきたセルビア人MFアデム・リャイッチがサイドに移動し、香川が真ん中に入る形で、現状では「トップ下の2番手」という扱いになっている。指揮官も香川とリャイッチの共存の道を探ろうとしているが、すぐに最高のコンビネーションを築けるわけではないだろう。香川がサイドも柔軟にこなせる選手ならプレーの幅も広がるだろうが、それも簡単ではなさそうだ。となれば、コンスタントに出番を得ようと思うなら、リャイッチよりトップ下で強烈な輝きを放ち続けるしかない。クラブで確固たる地位を築くまでにはしばらく時間が必要ではないか。

 日本代表復帰も3月のコロンビア(横浜)・ボリビア(神戸)2連戦ではなく、6月にズレ込む可能性がある。仮にそうなったとしても、コパ・アメリカに挑む森保ジャパンには香川が不可欠だと言っていい。アジアカップでトップ下を務めた南野も攻守両面で十分なハードワークを見せたが、攻撃に工夫をつけたり、変化をもたらしたりするところまでは行けなかった。香川とともにプレーし、相手の間に入り込む香川のポジショニングや戦術眼を間近で見ることで、南野自身にもプラスの影響がもたらされるだろう。2人は競争も共存も可能なはずだ。日本の攻撃活性化を目指すなら、彼らを同じチームでプレーさせるのが得策だろう。

 香川の長年の盟友・乾貴士(アラベス)も新天地デビューとなった11日(日本時間12日)のレバンテ戦で4-3-3の右FWで先発。87分間に渡ってキレのあるプレーを見せ、ピッチで躍動した。アジアカップでは追加招集されながら、原口元気(ハノーファー)の控えに甘んじ、3試合出場にとどまっただけに、その不完全燃焼感を新たなクラブで払拭した格好だ。
「代表で悔しい思いをしたことによって、もっともっとレベルアップしないといけないと感じた。帰って新しいチームに行きますけど、そこでしっかり出て、自分自身がレベルアップして、またここ(代表)に戻ってこられるように、ポジション争いできるように頑張りたい」とカタール戦直後にも語っていたが、その思いをいきなりピッチにぶつけたのは、森保監督にとっても心強い限りだろう。乾と香川という半年前の2018年ロシアワールドカップ16強の原動力になった2人が揃ってクラブでの窮地を脱し、ハイレベルのパフォーマンスを維持してくれれば、息の合ったコンビを代表に持ち込める。そのメリットは非常に大きい。今後に向けて期待の持てる状況になったのは間違いない。

新たな一歩を踏み出した中島翔哉と伊東純也の活躍に期待

 彼らベテラン組に負けじと、今週から新天地で新たな一歩を踏み出すであろう中島翔哉(アル・ドゥハイル)と伊東純也(ゲンク)らも意欲を高めている。
 右ふくらはぎの負傷で日本代表公式戦初舞台になるはずだったアジアカップを棒に振った中島は、イングランド・プレミアリーグのウルヴァー・ハンプトンなどへの移籍話が浮かんでは消えていたが、最終的に赴いたのはカタール。44億円という破格の移籍金で買われたのだ。リーグレベルは欧州5大リーグに比べればやや下がるだろうが、パリ・サンジェルマンのようなビッグクラブへいきなりステップアップするよりも、試合出場機会は確実に増える。しかも、アジアカップMVPと得点王をダブル受賞したFWアズモエル・アリら能力あるチームメートもいる。指揮を執るルイ・ファリア監督はジョゼ・モウリーニョ監督の片腕として長く実績を積み上げてきた指導者。そういう名コーチの下でプレーすることで、中島のドリブル突破やシュート力といった武器に磨きがかかる可能性も大いにある。

 一方の伊東純也も、昨年からメキシコのレオンやドイツのデュッセルドルフなどからのオファーが届いていたと模様だが、最終的に移籍先に選んだのはベルギーのゲンク。かつて2002年日韓ワールドカップの後に鈴木隆行(現解説者)が赴いたクラブで、今季ベルギー1部首位を独走している。直近のリーグ戦である8日のスタンダール・リエージュ戦でゲンクは4-2-3-1の布陣を採用。伊東純也の定位置である右サイドには21歳のガーナ人アタッカー、ジョセフ・パインスティルが陣取っていた。まず彼とのポジション争いに勝つことがベルギーでの成功の第一歩となるだろう。彼自身は「Jリーグよりはオープンなので特長を出せると思った」とメディアを通じてコメントしているが、確かに矢のようにゴールに突き進む彼のスピードは欧州でも十分通用する。フィリップ・クレメント監督も起用するタイミングを定めやすい。そういう意味ではチャンスだ。

 森保ジャパン発足後、コンスタントに代表招集されてきた中島と伊東にとっては、新天地での一挙手一投足がこの先の代表での立場が大きく変わると言っても過言ではない。アジアカップで軸を担った堂安、南野、原口は今後も中核を担うと見られるため、クラブでのパフォーマンスが振るわなければ、香川と乾といった両ベテランに地位を脅かされることになりかねない。全員が大活躍して、森保監督が誰を選ぶのか迷うような状況になれば、日本代表はさらに迫力ある攻めを見せられるはず。アジアカップでは総得点12と物足りなさも感じさせただけに、誰がその停滞感を打ち破るのか。アタッカー陣のサバイバルが大いに楽しみだ。

取材・文/元川悦子

撮影/藤岡雅樹(小学館写真室)

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