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「若い人でもわずかな血圧上昇で脳が萎縮する可能性」ドイツ研究機関発表

2019.02.12

若年者でもわずかな血圧上昇で脳が萎縮する?

高血圧と診断されるほどではないが、血圧が正常値を上回っている若年成人では、血圧が正常値の人と比べて脳が萎縮している可能性があることが、マックス・プランク認知神経科学研究所(ドイツ)のArno Villringer氏らの研究で明らかになった。

この研究結果は「Neurology」1月23日オンライン版に発表された。

灰白質には幅広い機能に重要な役割を果たす脳の神経細胞の多くが存在する。

これまで長い間、高血圧は数十年をかけて脳に影響を与えると考えられてきた。しかし、今回報告された研究では、高血圧と診断されたことがない若年成人でも、わずかに血圧が増加すると脳の灰白質に萎縮がみられる場合があることが示されたという。

今回の研究は、19~40歳の健康な若年成人423人(平均27.7歳)を対象としたもの。全ての対象者には脳のMRI画像検査を実施し、血圧を1回以上測定していた。

血圧値は、対象者の41%が正常値(120/80mmHg未満)だったが、29%は120~129/80~84mmHg、19%は130~139/85~89mmHg、11%は高血圧(140/90mmHg以上)であった。

解析の結果、血圧が正常値を上回る全ての対象者で、前頭葉や頭頂葉、記憶に重要な役割を果たす海馬、情動に関わる扁桃体、運動スキルや睡眠、感覚信号の伝達に関わる視床など、幅広い脳領域の灰白質の容積が小さい確率が高いことが分かった。

また、灰白質全体の容積は、血圧の上昇に伴い減少することも明らかになった。

Villringer氏は、今回の研究について「正常値を上回る程度の血圧の上昇が、灰白質の萎縮をもたらすことを証明したものではない。

また、若いうちから脳の灰白質が萎縮すると、後に脳卒中や認知症などを発症するリスクが高まるのかどうかは、今後さらなる研究で検討する必要がある」と強調している。

ただし、今回の研究は「脳の萎縮が、症状のない段階から脳卒中や認知症に進行するのを予防するためには、若いうちから血圧値を正常範囲に維持することが重要であることを示したものだ」と説明している。

一方、2人の専門家は、この研究結果から新たな課題が提示されたと指摘する。米レノックス・ヒル病院で記憶障害を専門とするGayatri Devi氏は「血圧はどのレベルで治療を開始すべきで、どういった治療が望ましいのかは分かっていない」とした上で、「Villringer氏らの研究に基づけば、脳の機能を保持するためには、血圧が120/80 mmHgを超えたら治療を早く始めるのが良い、というのが答えのようだ」と話している。

一方、米ノースウェル・ヘルス・サンドラ・アトラス・ベイス心臓病院のGuy Mintz氏は「一般的に灰白質の萎縮は高齢者でみられることが多い」と強調した上で、「今回の研究から若年成人でもそうした変化がみられたことを踏まえると、若年のうちから正常血圧を維持することが、高齢期の脳血管障害の発症予防に重要である可能性がある」と述べている。

同氏はその方法について、「薬物療法よりも食事や運動などの生活習慣の改善から始めることが理想的だが、一部の患者では薬物療法も必要になるだろう」と説明している。

(参考情報)
Abstract/Full Text
http://n.neurology.org/content/early/2019/01/23/WNL.0000000000006947

構成/編集部

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