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「心臓手術中の自己血輸血で転帰が改善する傾向」オレゴン健康科学大学研究

2019.02.11

心臓手術中の自己血輸血で転帰が改善、米研究

心臓手術中に、手術開始時に採取しておいた自分自身の血液を輸血した患者は、献血された他人の血液を使用した患者に比べて入院日数が短く、合併症が少ない可能性があることが、米オレゴン健康科学大学のEric Zimmermann氏らが実施した予備研究で示された。

この研究結果は、米国胸部外科学会(STS 2019、1月27~29日、米サンディエゴ)で発表された。

この研究は、術中に大量出血した場合などに、献血された他人の血液ではなく、手術開始時に採取して貯めておいた自分の血液を使う術中の貯血式自己血輸血(intraoperative autologous blood donation)と呼ばれる方法に着目したもの。

Zimmermann氏らは今回、2009~2017年に、米ニューヨーク・プレスビテリアン・クイーンズ病院で心臓手術を受けた患者689人の医療記録を分析した。

同病院では2013年1月に、開胸による心臓手術を受けた患者に対し、術中の自己血輸血を積極的に行うプロトコルを開始した。

研究では、プロトコルを開始後に心臓手術を受けた420人と、開始前に手術を受けた268人を対象に転帰を比較検討した。なお、緊急手術は解析から除外した。

その結果、輸血を必要とした患者の割合は、術中の自己血輸血によるプロトコルを開始する前には70%だったのに対し、開始後には40%へと減少した。

また、プロトコル開始後には胸腔ドレナージ排出量が1,295mLから1,207mLに減少したほか、入院期間も7.8日から6.8日へと平均で1日短縮したことが分かった。

術中の自己血輸血は、手術の開始時に患者から血液を採取し、抗凝固薬のみを加えただけで、全ての成分を含む「全血」の状態で保管する。

貯めておいた血液は手術の終了時に患者に戻される。Zimmermann氏によれば、この方法は、術中の輸血に備えて、手術の何週間も前から採血して貯血しておく方法(blood banking)とは異なるものだという。

また、同氏は「術中の自己血輸血には、血液の保存に必要なコストを減らし、保存期間中の血液の質の低下を避けられるなどの利点がある」と説明している。

このアプローチは既に一部の病院で導入されている。

今回の研究には関与していない米南カリフォルニア大学の外科医であるRobbin Cohen氏も、数年間、このアプローチを実践してきた経験から、「簡便かつ有益な方法だ」と話している。ただし、同氏は今回の研究結果について、「術中の自己血輸血が最善の方法であることを証明したものではない」として、ランダム化比較試験で検証する必要があると指摘している。

一方、患者自身の血液にある凝固因子や血小板を含んだ全血を身体に戻すことは、出血の予防に役立っているのではとの見方を示している。

Zimmermann氏も、心臓手術中の自己血輸血を普及させるには、さらなる研究が必要であることに同意している。

また、同氏は、術中の自己血輸血はリスクを伴う可能性があり、「酸素を運搬する赤血球の減少や保管中の血液が細菌やウイルスに汚染されるリスクがある」と指摘している。

なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.sts.org/media/news-releases/reusing-patients-own-blood-during-heart-surgery-may-improve-outcomes

構成/編集部

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