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2019.02.10

日本IT団体連盟が教育・医療のIT高度化など政策要望を平井大臣へ提出

IT関連団体の連合体・日本IT団体連盟は2月7日、平成30年度の政策要望を公表し、平井卓也IT政策担当大臣へ手交した。

世界中のあらゆる産業の変革が、ITにより加速化している昨今。日本における国民生活の水準向上並びに世界最高レベルのIT社会構築を目指す同団体は、「人生100年時代」「AI」「5G」など、様々なキーワードを踏まえたうえで、現在の国内におけるIT産業をどのように捉え、また、国に対してどのような取り組みを求めたのだろうか?

今回、「デジタルファーストの実現」をはじめ、教育・医療のIT高度化を含めた、実に11項目にわたる提言が公表されたので、以下にて紹介していきたい。

1.デジタルファーストの実現

世界最高水準のIT社会を実現するべく、デジタル化の利便性を様々な行政サービスに行き渡らせ、国民がその恩恵を享受できるようにするため、いわゆるデジタルファースト法案を早期に立法すべきである。

行政手続きのオンライン化は、行政の生産性や効率性を向上させるだけでなく、人口減少のなかで、地域のくらしを持続可能とし、利便性を強化する基盤ともなる。

また、国際的に行政サービスの電子化が進む中、速やかかつ効果的にITをインフラとして整備する社会を実現するためには、高度なITの知識・経験をバックグラウンドに持ち、社会実装のために意思決定ができるCTO(最高技術責任者)を政府の重要なポストとして置く必要がある。

同時に、国家が採用するシステムにおいては、デジタル化された社会システムを利用する国民一人ひとりのユーザビリティに配慮することが不可欠。

そのためには、断片化を避け、国内全域的に実用的なシステムを構築することが求められる。例えば、自治体間においてもユーザインタフェースは共通のデザインにすべきである。

それにより、デジタル化によるコスト削減効果を最大限に活かすことも可能に。また、これら社会全体のデジタル化を推進する法制度の運用にあたっては、立法をゴールとするのではなく、常に改善し刷新を重ねるためのKPIを設定し、PDCAサイクルを回すことが必要である。

デジタル社会において、マイナンバーの活用は大きな課題であり、チャンスでもある。国民は教育、勤労、納税の義務をおう。マイナンバーを納税に活用するだけでは十分ではない。

スマートフォンへの搭載を含め、マイナンバーカードを全国民が持つことを義務化したい。
その前提で、教育、勤労、納税をあわせて社会システムの一層の進化をはかるべきだ。法人番号の活用も置き去りにはできない。

国際的な企業コードにもなる法人番号を社会実装することで、日本がイニシアティブをもって世界に通じるルールを作るべきだ。

2.データの利活用促進

あらゆる国民生活の日常で情報化が進み、蓄積されたデータを分析、活用するAIが発達する今こそ、官民のデータ利活用をより一層促進すべきである。

そのために、これらのデータを価値のある資源と位置づけ、データホルダー同士が安心して相互にデータを活用するための仕組みを構築し、より合理的なデータ駆動型のサービスを展開することができるようにすべきである。

改正銀行法の施行により、金融機関のオープンAPIに関わる体制整備が努力義務となり、フィンテック企業によるデータの安全な活用が促進されることになったことは、データ駆動型社会を後押しする仕組みとして支持する。

一方、制度改定により、金融機関由来のデータであるがために不合理な利用規制をせざるを得ない課題も生まれている。

データの利活用促進という本来の目的に則し、制度の不具合は見直すべきである。利用者の安心を十分に確保しながら、データ利活用による利便性を利用者や社会全体が享受できるよう政策を加速させることが求められる。

また、国際的なデータ流通市場に対し、利用者保護の点から安心安全なデータ利活用を進めるため、データセンターを国内に設置する重要度は今後ますます高まる。

データセンターの運用にあたっては、常に電力効率の向上、コスト削減の工夫を図ることはいうまでもない。国際的なコスト競争にも打ち勝つデータセンターの設置を制度として整えるべきである。

特にデータに関わる国内制度設計において、日本企業のみが対象になるようでは国際競争力を維持できない。国内で事業を行う外国企業に対しても同一制度を適用できるようにすべきだ。

3.国土強靭化にITをフル活用

2018年(平成30年)、国内では様々な自然災害に見舞われた。近年、それら災害による被害は大規模化・広域化・激甚化する傾向にある。

しかし、一方で、災害に対するレジリエンスの向上のための先端技術も日々進歩している。人命と財産そして社会資本を維持する施策にこそ、ITをフルに活用し、データに基づいた対策を講じるべきである。

ついては、国土強靭化のための基本計画に、センサー等を用いた自然災害感知網の整備など、ITを駆使したインフラ整備を根本として盛り込むことが望ましい。

具体的には、「国土情報(データ)の取得と蓄積」、「国土情報(データ)分析」、「国土情報(データ)伝達」の精度を向上する施策を講じるべきである。

また、ITが国民の暮らしには不可欠な基盤であることを十分に踏まえ、国土強靭化の下に、従来からの、道路、橋、防波堤、治水ダム等に加えて、ITが利用できなくなることのないよう電線・電話線、電波(基地局)、データセンター、海外と結ぶファイバー網等の強化が必須である。

4.キャッシュレス化のさらなる推進

「フィンテック」と呼ばれる革新的な動きは、経済活動の取引に対して世界的なンパクトをもたらしている。

諸外国と比べて我が国が立ち遅れているキャッシュレス化を推進するために、キャシュレスに税制優遇等のインセンティブを付与し、変革を促すべきである。

超スマート社会を見据え、キャッシュレスを推進することは、我が国の経済発展に有益な変化をもたらす。キャッシュレス決済は、データ化された購買行動を最適化することができるなど、現金による決済では図れなかった決済行為の付加価値の創出を実現することができるからである。

地域経済の好循環を醸成すべく、キャッシュレスの推進においては、マイナンバーカードに溜まった自治体ポイントの利用可能な範囲や機会のさらなる拡大と購買の促進を図るべきだ。

また、すでに民間が率先して取り組んでいるQRコード決済やNFCの普及を後押しし、キャッシュレス化の導入コストを抑えることも、より大きな経済効果に繋がるものと考える。

5.自動運転の社会実装の推進

自動車産業は、基幹産業として我が国の経済発展を担ってきた。バリューチェーン変革等によって、我が国の強みである自動車産業の国際競争力を今後もますます高め、MaaSをはじめ昨今の世界的なIT関連動向を意識しながら、世界をリードする役割を担うべきである。

そのためには一刻も早く高度な自動運転機能の社会実装を推し進める必要がある。高度な自動運転機能の実装は、人為的なミスによる交通事故の発生を低減することができる。

まずは、国内の物流の根底を支えるトラックのドライバー不足や過重労働という社会課題を踏まえた上で、高速道路でのトラック隊列走行の商業化を早期に実現させなければならない。そのことをひいてはドライバー不足の解消へ繋げるなど、現実的な取り組みを加速させるべきである。

また、自動運転の技術開発の促進のためには、試験走行が不可欠であるので、そのための制度整備は急務である。

近隣住民等に対する自動運転への社会的受容性を醸成することが急がれる。併せて、万一の自動運転による事故に備え、データの収集と分析を行う法整備や体制づくり、機関の設置を推し進めるべきである。

6.教育機関・教育行政機関のIT化促進

急速な産業構造の変化に応えるべく、教育分野においてもIT化を加速させ、業務の効率化をはかり、より質の高い学習を求める人々のニーズへの対応を実現すべきである。

そのためには、教育機関、教育行政機関のIT基盤となる「教育クラウド」を整備し、児童、生徒、学生ひとりひとりの学習進度に合わせた学びを提供できるよう、2020年までにクラウド教材の使用を100%とする目標を堅持すべきである。

また、教育分野におけるITの応用は、非効率なペーパーワーク等に拘束される教員の事務労力を削減。教員が学習指導に専念しやすくすることに大いに役立ち得る。これにより、OECDが指摘する、我が国における教員の業務負担軽減が実現可能に。

地域による教育、校務システムについては、断片化を防ぎ、レガシーシステムを避けるためにクラウドを活用すべきである。

その際、地域のIT企業が学校のIT化に協力し、積極的な支援を行うことができるよう、補助金等の制度を整備すべきである。

7.IT人材育成への投資拡大

AI時代に即応するIT人材育成のため、産官学が一体となった実務系オンライン講座に投資を拡大すべきである。先端分野の技術者を増やすことは、未来社会を創るために極めて重要だ。

大学等高等教育機関におけるIT関連の技術者・専門職業人育成の充実のため、産官学で戦略的な取り組みを行いたい。

社会全体のITリテラシーを高めることが求められている今日、大学などの高等教育機関において、産業界のニーズに応えた教育プログラムを整備することは不可欠である。

急速な技術発展や産業構造の変化をを踏まえ、社会人が新たに必要とされる知識や技術を身につけ、学び続けることのできるリカレント教育の制度をさらに充実させる必要がある。

産業界のタスクとスキル標準を定義したiコンピテンシーディクショナリーは、国際的にも認められた基準だ。これを軸に、大学等高等教育機関において実践的な教育プログラムを実装するよう制度を整えるべきである。

8.医療・健康分野のIT 高度化

地域医療の向上には、AI等の先端技術を盛り込んだ遠隔システム等が一役を担うことが期待されている。そこでヘルスケアデータを安全にクラウド上で管理し、データによる健康の管理を総合的に行うことができるよう法制度を整えるべきだ。

これらのデータヘルス改革等により、行政はより適切な医療・介護政策を実行できるようになる。すなわち、医療・健康分野におけるITの高度化は、医療の質の向上、緊急医療等に対する医師の負担軽減、データに基づいた予防等による国民の健康の増進を可能とするわけだ。

超高齢化社会の到来に備え、先進的かつ効率的なヘルスケアシステムの実装を進めるための十分な法整備を行うべきである。

9.デジタル・デバイド対策

従来よりITは、あらゆる社会的弱者のエンパワーメントに力を発揮してきた。今後も、社会全体のデジタルトランスフォーメーションを推進し、誰もがITのもたらす社会的な恩恵を享受し、高齢者や障がい者などの社会的弱者が決して取り残されることのないよう対策を講じることが重要である。

まずは、地域や所得によりデジタルテクノロジーへのアクセスに格差がないよう是正に取り組むとともに、ITリテラシーの向上のための地域ごとのピアサポートの充実化を図るべきである。

10.ソフトウェア、ゲーム等の開発、制作支援

ゲームやエンターテイメントといった、世界から注目される日本のソフトパワーの国際競争力をより高めるため、それらを下支えするIT基盤である様々な最先端のソフトウェア、ハードウェア等の機能強化を支援すべきである。

例えば、具体的には、PSQ認証の取得にかかる費用を、研究開発税制の対象をすること、VRやARなどの先進コンテンツ開発を促進するための補助金を整備こと等が挙げられる。

また、ソフトウェア開発において、リリース(販売)後に発生するセキュリティ対策にかかる費用を、あらかじめ経費として積み立てて、積み立て分を実際の支出に先んじて費用として計上できるよう制度を整えるべきである。

11.IT 導入支援事業の拡大

我が国全体の生産性向上のためには、中小零細事業者のIT化が大きな影響力を持っている。IT投資の遅れている中小零細事業者に対して、IT導入補助金を継続すべきである。

その際、補助率を1/2とし、補助金上限金額を450万円に引き上げること、また最低金額を10万円に引き下げること、零細事業者においては、ソフトウェアだけではなくハードウェアも含めて導入補助金の上限を900万円に引き上げることが望ましい。

様々な産業分野でのIT応用の拡大は、業務の効率化や経営力の向上のみならず、国力全体の底上げに繋がることが期待される。

出典元:一般社団法人 日本IT団体連盟

構成/こじへい

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