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残業もないが成長もない〝ゆるブラック〟企業が多い業種は?

2019.02.12

今の時代は、若い世代の労働に対する価値観が大きく変わっていると過渡期だと言われている。

2018年4月の新入社員へのアンケートで、「若いうちは進んで苦労すべきか」という質問に対して、「好んで苦労することはない」と答えた人が34.1%と過去最高。

「どのポストまで昇進したいか」に対して最も多かったのは、「社長」でも「部長」でも「専門職」でもなく、初の「どうでもよい」だった。(日本生産性本部,新入社員「働くことの意識」調査』,2018年度版)

こうした状況のなか、就職活動において“ブラック企業”を避けようとする傾向は強まっており、働き方改革のなか、企業側も無駄な残業を減らす取組が進んでいる。

異常とも言えるような過酷な労働環境を強いる企業が評価されなくなっていることは良いことだ。

日本の就活システムでは、スキルを持っていない学生が企業とマッチングを行うのが通例とされている。企業は学生にスキルやパフォーマンスではなく、ポテンシャルを求めて採用しているわけだから、入職後にOJT&Off-JT の形で教育が実施されるわけだ。

日本においては、こうした入職時点でのマッチングの特徴から、特に20代において、「修羅場」や「厳しい場面を乗り切った成功体験」、「一皮むける瞬間」といった言葉で語られるようなOJT的な側面を持つ仕事の経験が重要であると語られることが多くある。

もちろん、単なるハードワークではなく、振り返って「あの仕事をして良かった」と思えるような経験に限られるが。

ネット上では、こうした経験を得ることができない企業を“ゆるブラック企業”と呼ぶことが提唱され、労働環境は決して厳しくはないものの、スキルも得られず成長もない企業に対して疑問を投げかける声が多数上がっているのだ。

今回は、今の日本において「自分の成長に繋がる修羅場経験」をすることができる企業とはどういった企業なのかを、Vorkers 社員クチコミデータを元に考察された結果を紹介していく。

ハードワーカーの若者のうち、4割以上が20代成長環境を高く評価

「自分の成長に繋がる修羅場経験」には様々な形態があると思うが、今回は、ハードワークをこなしながらも、積極的に企業の20代での成長環境を評価している個人として考える。

月の残業時間の20代における平均は35.6時間だが、今回は月60時間以上の者を抽出し、そのうち社員クチコミデータの「20代成長環境スコア」(5.0 満点)が4.0よりも高い者=「自分の成長に繋がる修羅場経験」をすることができた者として検討していく。

整理すると、20代で月60 時間以上残業している者は20.2%。また、月60 時間以上であり、20代成長環境スコアに対して4.0以上を付けた者は20代のうち8.3%だった。

今回はこの8.3%の「自分の成長に繋がる修羅場経験」を企業から得ることができた個人に注目していく。

なお、「20代成長環境スコア」が4.0 以上の者については、20 代全体では32.6%しか該当者がいないが、月60時間以上の20代では4割を超える割合となっている。

20 代で自分の成長に繋がる修羅場経験ができるのはどんな企業か

「自分の成長に繋がる修羅場経験」ができる企業の属性をまとめたのが以下の表だ。

企業規模別では、ベンチャー企業等の小規模な企業が最も高く11.6%、一方で5000人以上の超大企業では7.1%と最も低く、1.5 倍程度の差がある。

ベンチャー企業などの小規模な企業では、裁量権も大きく、20代において相応のポストに昇進することも珍しいことではなく、そうした環境がハードワークのなかから生み出される成長に繋がる良い経験に至っていると考えられる。

業種別にはコンサルティング30.7%、マスコミ19.7%が高く、インフラ、運輸3.0%、メディカル3.5%、メーカー・商社5.1%、金融5.2%あたりはかなり低くなっており、大きな差がある。

コンサルティング企業は就活においても、早い段階でストレッチの機会が与えられ時としてUp or Out の環境のなかで自己のスキルを伸ばすことができるキャリアが一部の学生に魅力的に映っている。こうした状況が上の表にも表れていると言えるだろう。

これで、業種別や規模別で何人くらいが「自分の成長に繋がる修羅場経験」ができるか、ということはわかった。

しかし、単に忙しいために「修羅場経験」ができる割合が高いのか、それとも「修羅場経験」に繋がるような良い経験ができる可能性が高い環境があるのか、はわからない。そこでこの2点を分解したうえでの考察が行われた。

「ハードワーク率」は、残業が月60 時間を超えている者の割合。「育った率」は、残業が月60時間を超えている者のなかで、20 代成長環境スコアが4.0以上と高い者の割合だ。

つまり、「育った率」が高いことは、ハードワークが良い経験となった個人が多いことを意味する。他方「育った率」が低い場合は、ハードワークが単なる過剰労働に終わり、成長機会には繋がっていないことを意味している。

コンサルティングで全力疾走か、IT 系で成長環境を選ぶか

2 つの指標をまとめたのが以下の表だ。

ハードワークが多いのはどういった企業なのだろうか。「ハードワーク率」を見ると企業規模は大きくなるほど割合が下がっている。

しかし、「育った率」を見ると企業規模によって大きな差はない。小規模な企業では仕事の機会の多さが、結果として「自分の成長に繋がる修羅場経験」に至っているとわかる。

また、業種別にみた場合にはどうだろうか。コンサルティングとマスコミはともに、「自分の成長に繋がる修羅場経験」ができる割合が高い業種だった。

しかし、分解が行われると構造は大きく異なり、コンサルティングは「ハードワーク率」も「育った率」も高い反面、マスコミでは「ハードワーク率」は高く、「育った率」は平均程度であることがわかる。

さらに、メーカー・商社と金融は、ともに「自分の成長に繋がる修羅場経験」が低い水準にあったが、金融のみは「育った率」は平均程度あり、仕事の機会に恵まれた個人にとっては成長の機会となる可能性は高い状態といえる。

加えて、「自分の成長に繋がる修羅場経験」率では平均程度だった、IT・通信・インターネットは違った見方が出てきている。

「ハードワーク率」は低いが、「育った率」が高いのだ。ハードワークの仕事に当たれば成長できるが、そうした仕事ばかりなわけではない、という意味で自身のライフスタイルと相談しながら成長を追及できる業種といえるかもしれない。

“ゆるブラック企業”が多い業種を見える化する

最後に、「ハードワーク率」と「育った率」をもとに、業種をマッピングした表を紹介する。

平均の右上に存在している業種は「厳しい仕事が多く、成長できる」業種だ。特に「ハードワーク率」と「育った率」の相関の近似曲線よりも上側にある、コンサルティングやIT・通信・インターネットは効果的に成長できる可能性が高いと言えるだろう。

他方、平均の左下に存在している業種は「厳しい仕事は少なく、当たっても成長できない」業種だ。

特に近似曲線の下にある、インフラ、運輸、メーカー・商社、行政機関は20 代で大きく成長できる可能性が低いことが示唆される。冒頭取り上げたような“ゆるブラック企業”はこうした業種に多い可能性がある。

人手不足の長期化、人生100 年時代の到来、企業寿命の短期化……

様々な要素が、個人と組織の関係をフラットなものにしようとしている。就活で“ホワイト企業”に入れたら逃げ切れる時代はとうの昔に終わった。

自分の成長のために企業を利用する時代がきたときに、単に残業時間が短いことはあまり意味を持たなくなる可能性があるという事実を、就活生だけでなく、現役ビジネスパーソンも肝に銘じておくべきだろう。

出典元:株式会社ヴォーカーズ

構成/こじへい

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