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【開発秘話】発売から5か月で240万ケース以上売れているサッポロビール「99.99」

2019.02.08

コンセプト体現する引き算の味づくり

 中身はパッケージデザインのイメージに合ったものをつくるような形になった。

 開発に当たり他社の商品を分析したところ、ベースの酒よりも、味を決める果物の加工技術にフォーカスして商品づくりをする傾向が強いことがわかった。そこで差別化を図るため、ベースの酒に磨きをかけることにした。「われわれはアルコールメーカー。ベースの酒に磨きをかけた方が企業活動とマッチしますし、お客様に新しい提案ができます」と伊藤氏は話す。

 酒は飲みやすいウォッカをチョイス。コンセプトにふさわしく高純度にし、そのことを打ち出すことにした。

 ウォッカは自社工場で白樺炭ろ過を2段階で行なうなどして、純度を99.99%に高めた。「99.99という数字は、徹底的に磨き研ぎ澄ましたことのシンボル。99だとあまり意味をなさないかもしれませんが、99.99だと極限まで突き詰めたイメージがあります。ものづくりのこだわりを大事にするサッポロビールの企業姿勢ともマッチする、というのがワークショップでの見解でした」と伊藤氏は振り返る。

 フレーバーは〈クリアドライ〉〈クリアレモン〉〈クリアグレープフルーツ〉の3種とした。ただ、3種同時に発売するとすべて店頭に置かれない可能性もあったことから、〈クリアグレープフルーツ〉は発売を遅らせることにした。

 コンセプトを体現するために、味づくりは多くの原材料を使わず最小限のものでつくる引き算の発想で進めることにした。しかしこれは、果汁などで味付けをしない〈クリアドライ〉ではハードルが高いこと。苦味料や香料をわずかにプラスして、お酒として成立する味に調えたという。

〈クリアドライ〉に使われている原材料は、ウォッカ、糖類/炭酸、酸味料、苦味料、香料だけ。しかし、これだけの原材料で〈クリアドライ〉の味を調えたことで、〈クリアレモン〉など果汁で味付けするものは比較的簡単だったとのこと。〈クリアドライ〉で決まった味の骨格を崩さないような味付けをするだけだった。

記者発表会でファクトブックを配布

『99.99』はパッと見ただけではどのような商品かがわかりにくい。そこで営業と、広報や宣伝などで結成したPRチームが、発売前に商品のことをある程度理解できているようにするべく動いた。

 まず営業は、卸売会社各社が行なう秋冬商品の展示会で、『99.99』を全面的に押し出し、8月28日に発売することを前もって公表。小売店との商談時には必ずサンプルを提供し、バイヤーに試飲してもらうようにした。これらはビールの大型商品ではよく行なうことだが、RTDでは珍しいという。

 一方、PRチームはまず、報道発表後に消費者キャンペーンを実施しサンプルを配布。当選者にInstagramなどSNS上で情報を拡散してもらうようにした。また、報道発表直後に現在とほぼ同じブランドサイトを開設し、ティザー広告もウェブ上で、週替わりで配信した。こうした取り組みも、ビールでは少し前によく行なわれたことだが、RTDでここまでやるのは珍しいことだった。

 PRチームが行なったユニークな施策にファクトブックの制作があった。パッケージデザインを担当したデザイナーや中身をつくった開発担当者などのほか、イメージキャラクターを務めテレビCMにも出演している俳優の長谷川博己さんのインタビューなどを収録しており、記者発表会の当日、記者に配布した。ファクトブックの制作・配布には、多方面から情報を提供することで商品に対する理解を深めてもらうと同時に、様々な切り口から商品を掘り下げてもらう狙いがあった。

制作されたファクトブック

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