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【2020年以降の日本を語る】マーケティングはこれだけ日本を変える・まーけっち山中思温社長

2019.02.05

仕事中ふと「これは日本の国全体が抱える問題じゃ?」と思う瞬間はないだろうか。しかも現場を知る人間だからこそ、問題がクリアに見えてしまう……。今回の取材先であるまーけっちの山中思温社長は「マーケティング不足こそが日本の大問題」とし、日本の将来像を語り始めた。

山中氏は「凄腕マーケター」の呼び声が高く、とくに中小企業のネット施策について知見を持つ。元は(株)マーケティングアプリケーションズでマネージャーをつとめていたが、2019年に同社の支援も得つつ、学生の頃のアルバイトやインターンから貯めていた1000万円の貯金を使い果たして起業。彼女には、マーケティングを通し、日本をより豊かにするビジョンがあるという。

考え抜いた方こそ、リサーチを使うべき

夏目 起業のきっかけをお教えください。

山中 マーケティングは“社会をポジティブにするツール”で、私はこれを普及したいのです。事業を始めて結果が出なくても、理由をはっきりさせれば打開策が見いだせるかもしれません。そもそも、正しいマーケティングを行えば「この事業にはニーズはない」と事前に判断できるかもしれません。私はその機会をつくりたいのです。

夏目 山中さん自身はマーケティングでポジティブになったご経験はありますか?

山中 もちろんです。リサーチを行う企業は、様々な企業のアンケートを請け負って、ターゲット層にあたる「アンケートユーザー」にご回答をいただいたいて、回答に応じてポイントを支給します。しかし、2012年頃、ユーザーに若年層が少なかったのです。それは業界全体の問題で、私は、当時所属していたマーケティングアプリケーションズの代表から「若年層のリサーチユーザー数を日本でナンバーワンにして当社の武器にしよう!」と言われました。でも、予算や人的リソースはかなり限られており、社内でも初めての試みで、社内に知見やノウハウもありませんでした。

夏目 いわゆるムチャぶりですね(笑)。

山中 どの広告代理店に相談しても、予算や目標を伝えると「無理。うちは受けられません」と言われました。しかし、当社はマーケティングの企業なので、私自身がアンケートを組み立て、なぜ若年層がアンケートユーザーになってくれないのか、かなり詳しく調査してみたのです。すると、若年層が重視しているのは「いかに短時間で、手間をかけずポイントをもらえるか」だと、改めてわかりました。また、ポイントサイトへのイメージが悪いユーザーも多く「これに答えればちゃんとポイントがもらえるよ」という安心感が必要だったのです。そこで、若い方向けにユーザビリティを特化させたアプリを開発し、Youtuberの方などに依頼して実際にポイントがもらえることを伝えていただくと、想像以上に……というより若年層ユーザーが爆発的に増えました。その他、アプリストアでの検索順位の最適化、レビュー対策など、効果的な施策を選別して検証しながら進めるチーム作りにも注力しました。

 この時、感じたんです。「リサーチは、情熱を持っている人に使ってほしいツールだ」と。アンケートを組み立てるときには必ず仮説が必要です。それを持たず、例えば先の場合であれば「なぜアンケート調査に協力してポイントをもらわないのですか?」と聞いても的確な答えは出てきません。すなわち、なぜなんだ? と考え抜いた方こそ、リサーチを使うと大きな成果が出せるのです。

 ところが、中小企業だと予算がない、大企業でも経験や勘で事業を進め、失敗する例があとを絶ちません。これは社会的な問題です。そこで当社は、リサーチの質問の組み立てをユーザー自身に行っていただくなど工夫を凝らして、簡単なリサーチであれば他社の数分の1の予算で実施していただけるようにしました。

 ほかに、新規性が高い部分もあるんですよ。

マーケッターの勘より早く世の中が変わる

山中 当社は「プロモーションリサーチ」が実施できます。今までリサーチと商品のプロモーションはそれぞれが別でした。これを一緒に行うことにより、何より大切な「使わなかった人のデータ」がとれるんです。

夏目 具体的には?

山中 当社はリサーチの企業と連携していて、約800万人のアンケートユーザーに連絡がとれます。そして、WEBのアプリ、健康食品、化粧品など、ユーザーや購買者がいれば、商品は何でも可能なのですが……この方たちにプロモーションをかけるのです。すると、実際に買って使った方はどんな方で、どのページを見て購入を決めて、使った上での課題は何で、どれくらいの頻度で利用して、といった詳細なデータをとることができます。また、いままで接触が難しかった「使わなかった方」「使ったけれど使用をやめてしまった方」にもアプローチが可能です。そのデータから、最も重要な課題がわかるため、更なる改善につながるのです。また、その後きちんと目標の数値に貢献したかまで追い、調査設計やデータの活用の仕方にも日々改善を加えています。

夏目 考えましたね。

山中 実はこれに似た「PRリサーチ」「アドアンケート」と呼ばれるものは、従来からあったのです。しかし、プロモーションまで一貫したリサーチ支援をメインに取り組む企業はほぼ初めてと言っていいと思います。しかも、これだと企業が予算を割きやすいんです。リサーチは、行なったからといって売り上げに直結はしないため、中小企業は予算を割きたくありません。でも広告費、プロモーション費用はお持ちの場合が多いから、「プロモーションリサーチ」なら実施しやすいのです。しかも予算規模が小さければ「関東圏の30代男性」などと対象を絞ることもできます。

夏目 ユーザーを知らずにビジネスを始めるのは、暗闇を手探りで進んでいくようなものですよね。以前、LCC(格安航空会社)の社長のインタビューした時、調査をしてみたら意外と多くの顧客が高級ホテルに泊っていた、と聞きました。交通費にお金をかけず、宿泊は贅沢に、というプランに需要があったわけです。

山中 それが好例で、いままで通用した作り手の「経験」や「勘」や「定石」はどんどん変わっています。ユーザーニーズや行動は多様化して、同じ「20代女性、収入は400万円で神奈川県在住」などと区切っても、ロックが好きな方とアニメが好きな方では行動パターンも接触する情報もまったく異なります。ここを理解しないと、いいものはつくれません。また、仮にいいものをつくっても顧客に情報が届かないのです。とくに当社のサービスは、リサーチとプロモーションとサービスの改善が合体しています。ここの分断が日本の商品開発力を弱めている……私はそう思って起業しました。そして、将来はもっと大きなビジョンも持っているんです。

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