
上司から本を薦められた時、あなたはどのように対処しているだろうか?
しっかりと読破してくる人もいれば、なかなか読み進められなくて挫折した人、あるいは、ハナから読む気がなくて感想を聞かれた時用にAmazonで概要だけ調べたという人もいるだろうが、実際のところ、世の管理職の方々は、部下にどんな本をおススメしているのだろうか?
今回、そんな疑問への答えを含む、楽天ブックスによる「上司と部下の読書事情に関する調査」の結果が発表されたので、紹介していきたい。
ビジネスパーソンに聞いた「2019年の抱負」、トップは「貯金をしたい」(48.3%)
2019 年を迎え、ビジネスパーソンはどのような抱負や目標を持っているのだろうか。全体のトップは「貯金をしたい」で48.3%、次いで「読書をしたい」(32.1%)、「趣味を増やしたい」(31.7%)となった。
役職別にみると、管理職、若手社員とも、2019年の抱負トップは「貯金をしたい」だったが、管理職が39.3%だったのに対し、若手社員は60.3%と、とても高い結果となった。また、「読書をしたい」との回答は、管理職、若手社員いずれも3割を超え、役職を問わず読書への意識は高いことが明らかに。
2018年の読書量、6割の人が月に1冊未満しか読書をしていないことが判明。
読書を抱負にしているビジネスパーソンも多いようだが、2018 年の年間読書量を尋ねた調査では、全体の60.8%が月に1冊未満しか読書をしていないことがわかった。
一方、月1冊以上本を読んでいる層を役職別にみると、管理職は41.6%で、若手社員の割合 36.0%を5.6ポイント上回った。
管理職の6割は「部下・後輩にもっと本を読んでほしい」
管理職を対象に、自分の部下や後輩にもっと本を読んでほしいと思うかを尋ねた調査では、60.0%が「そう思う」(「とてもそう思う」29.0%、「ややそう思う」31.0%)と回答した。
続いて、「部下や後輩にもっと本を読んでほしいと思う」と回答した管理職を対象に、実際に本を薦めたことがあるかを尋ねる調査が行われたところ、半数以上の 63.3%が薦めた経験があると回答した。
管理職が本を薦めたいのは、「今後成長が期待できる部下・後輩」(36.7%)、「仕事に対して意欲的な部下・後輩」(32.1%)。
部下や後輩にもっと本を読んでほしいと思っていると回答した管理職を対象に、どのような部下・後輩に本を薦めたくなる、または薦めたいと思うかを尋ねる調査において、トップは「今後成長が期待できる部下、後輩」(36.7%)、次いで「仕事に対して意欲的な部下・後輩」(32.1%)、「自分と同じ部署の部下・後輩」(30.8%)となった。
成長が期待できる部下や後輩、あるいは、仕事のモチベーションが高いと見受けられる部下や後輩に敢えて本を薦めている管理職が多く、上司から本を薦められることがあれば、自身への期待の表れと受け止めても良いのではないだろうか。
上司・先輩から本を薦められたことがある若手社員は 47.0%で、そのうち半数以上(58.1%)が薦められた本を読んでいる
一方、若手社員300人に対して、上司や先輩から本を薦められたことがあるかを尋ねる調査では、47.0%が薦められた経験があると回答した。
さらに、上司や先輩から本を薦められたことがあると回答した若手社員を対象に、実際に薦められた本を読んでいるかを尋ねる調査が行われたところ、「読んでいる」と回答した人は58.1%(「よく読んでいる」15.6%、「たまに読んでいる」42.5%)で、6割近くが薦められた本を読んでいることがわかった。
上司や先輩から薦められた本を「よく読んでいる」、「たまに読んでいる」と回答した人を対象に、薦められた本を読む理由を尋ねる調査が行われると、トップは「薦められた本に興味があるから」(43.9%)、次いで「内容が読みやすそうだから」(30.5%)、「上司や先輩の薦め方が魅力的だから」(29.3%)となった。総じて、上司から本を薦められることを歓迎する様子がうかがえる。
管理職が「新社会人へオススメしたい本」は、ビジネス書と歴史小説が挙げられた。
最後に、管理職を対象に、自由回答で「今年4月に入社する新社会人へオススメしたい本は何か」という質問が行われた。
様々な回答が挙げられた中、複数人が薦めていたのは、『人を動かす』(デール・カーネギー)、『失敗の本質』(戸部 良一、寺本 義也、鎌田 伸一、杉之尾 孝生、村井 友秀、野中 郁次郎)、『7つの習慣』(スティーヴン・R.コヴィー)といった時代を超えて読み継がれるビジネス書の名著だった。
さらに、『竜馬がゆく』(司馬 遼太郎)、『坂の上の雲』(司馬遼太郎)など、大きな決断を迫られたときの人間力が描かれている歴史小説を挙げる人も。仕事のテクニックもさることながら、人間性を磨いていってほしいという管理職の思いが感じ取れる選書となった。
<調査概要>
・調査名: 上司と部下の読書事情に関する調査
・調査対象: ビジネスパーソン700人
(※管理職 400人、入社5年目までの 20代前半の若手社員300人)
・調査期間: 2019年1月7日~10日
・調査方法: インターネット調査(調査機関:MMD研究所)
出典元:楽天株式会社
構成/こじへい