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2019.01.29

人の記憶は〝逆回し〟で思い出されるってホント?

 我々の記憶はスマホで撮影した動画と違い時系列に沿って最初から最後まで“ベタで”残されているわけではない。最新の研究では、我々は出来事や体験を“逆回し”にして記憶しているというから興味深い。

記憶は“逆回し”で思い出される

 楽しかった旅を思い出す時には、その旅で一番印象的だったことがまず最初に頭に浮かんでくるのではないだろうか。ブログに書き残しておこうとしたり、人から旅の詳細を聞かれたりしない限りは、家を出て出発した時から旅の体験を順番に思い出すこともないだろう。

 我々はビデオレコーダーのように体験を“ベタで”で記録保存しているのではなく、脳の中でいったん“再構成”してから保存している。そのため、印象的な体験が先に思い出されてくるのである。そしてこの“再構成”のプロセスで、往々にして我々の脳は体験を後から前へと“逆回し”にして記憶していることが最新の研究で報告されている。その意味で我々の記憶はかなり信用できないものなのだ。

 英・バーミンガム大学の研究チームが2019年1月に「Nature Communications」で発表した研究では、128本もの電極棒を使って脳をモニターする実験を通じて我々がどのように記憶を呼び覚ましているのかを探っている。

 実験参加者は例えばテントウ虫やトースターなどの画像を、それを思い出すためのキーワードと共に記憶した。そしてキーワードを示されて画像を思い出す過程において研究チームは、EEGと呼ばれる帽子型の機器で参加者の脳活動を詳しくモニターしたのだ。

Sci-News」より

 独自に開発したコンピュータアルゴリズムを使って脳活動のデータを分析したところ、キーワードが伝えられた参加者の脳はその対象についてより抽象度の高い情報から思い出していることが突き止められた。たとえばテントウ虫に関連づけられたキーワードを聞かされた時、それが「生き物」なのか「物体」なのかがまず思い出されるという。その次にその画像がカラー写真であったのか、モノクロの線画であったのかが思い出され、以降憶えている限りの詳細なディテールを思い出していくということだ。そしてこれは画像を記憶した過程と逆の順番になっているのである。

「頭の中では鮮やかな“スナップ写真”として思い出されても、それはバイアスをかけて“再構成”したものなのです」と研究を主導したファン・リンデ・ドミンゴ氏は語る。ある意味で思い出は我々の“創作物”であったのだ。

 さらに研究チームは思い出す回数が増えるほどに、その思い出の抽象度がさらに高まる可能性があることを指摘している。つまり楽しかった思い出は思い出すほどに“美化”されていくのである。我々の記憶がいかに信用できないものなのかが改めて思い知らされる話題だろう。

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