
肌の露出が多い格好をした人物、それが特に魅力的な異性であれば思わず視線が誘われてしまうかもしれない。そうした人物からもし性的な興奮を引き起こされた場合、その原因は単純に肌の露出によるものではないことが最近の研究で報告されている。我々は単純に裸に興奮しているわけではないのだ。
興奮を誘うのは肌の露出よりも“セクシーポーズ”
ベルギー・ブリュッセル自由大学の研究チームが2018年6月に「Personality and Social Psychology Bulletin」で発表した研究では、実験を通じて人物の肌の露出とセクシャルなポーズのどちらが性的対象化に結びついているのかを探っている。
我々は人の顔を含む容姿を目撃すると、N170と呼ばれる脳波が出現するのだが、不思議なことその人物を上下逆さまにした映像ではこのN170は発生しなくなる。つまり上下逆さまの人物と顔を見てもそれが人間だとは思えないのである。そしてもし、上下逆さまにしてもN170の値が変わらないとすれば、その人物は人格を持った人間というよりも“モノ”として見られていることにもなる。
「Research Digest」より
研究チームは21人の男女(平均年齢22歳)にさまざまな肌の露出具合とポーズの一連の人物の写真を見せて脳波を計測した。写真の人物が直立不動の姿勢では服を着ていても水着のような格好であっても、それを見た参加者の脳波に特に違いは見られなかった。つまり肌の露出が性的対象化を引き起こしているわけではないことになる。
次に参加者はさまざまなポーズを取っている人物の写真を見せられたのだが、いわゆる“セクシーポーズ”を取っている人物の写真は服を着ていても水着や下着でも、写真を逆さまにした際に脳波が変わらなかったのだ。これはこの人物を人間というよりは“モノ”として見ていることになる。我々が性的興奮をおぼえるのは露出ファッションではなく、“セクシーポーズ”にあったのだ。
ある種の水着グラビアなどは、肌の露出とセクシーポーズが組み合わされて見る者に訴えかけているが、重要なのは露出度よりもポーズであるということにもなる。我々が考えている以上にボディランゲージは多くを語っていることにもなりそうだ。