人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース
2019.01.25

なぜ、小さな会社では社員に念入りな指導が必要なのか?

■連載/あるあるビジネス処方箋

 前回、ベンチャー企業の女性人事部長へのインタビューを紹介した。部下への「指導」と「パワハラ」をテーマとした内容だった。多くの会社ではその境界線にあいまいなものがあり、第3者が正確に判断するのは実に難しい。しかし、それでも、上司は部下に特に30代前半までくらいには、「念入りな指導」をするべきだと私は考えている。特に小さな会社(この場合は、正社員で100人以下を意味する)では、様々な意味で「念入りな指導」が必要になる。今回は、なぜ、小さな会社ではそのような指導が大切であるかを考えたい。

欠けているものを早急に補うべき

 最も大きな理由は、小さな会社の人材の質は、大企業の社員のそれに比べて相対的に低い傾向があるからだ。40~50年前から、新卒(この場合は、大卒と高卒など)時に、一定レべル以上の学力、意識、考え方、性格などの学生は大企業に就職するケースが圧倒的に多い。大企業の内定を断り、100人以下の会社に就職する学生は相当に少ないのが、実情だ。これは多くの業界・業種で言えることである。

 ところが、小さな会社の総務(大企業のような人事部は存在しない会社が多い)では、この事実を見失っている。大企業に入る学生に比べ、何かが欠けているのならば総務などはそれを見つけ、早急に補うことをしないといけない。そうでないと、競争力の強い組織にはなりえない。しかし、そのような試みをしている会社は私が取材している範囲で言えば、なかなか見当たらない。むしろ、大企業のほうが社員教育は充実している。これでは、双方の差はますます大きくなる可能性が高い。事実、30代の同じ職種で双方の社員の質を比べると、歴然とした差になっていることがある。

 私がこの10数年で接してきた小さな会社の30代前半までくらいの社員に限って言えば、その6~7割は他人との意思疎通を苦手としている。組織や集団の中でチームをつくり、大きな成果や実績を残してきたと感じさせる人は少ない。考えや思いを時や場所などをわきまえ、わかりやすく伝えることを不得手としている。大勢の中でもまれ、立派な実績や成果を出してきたと思える人は大企業のほうに多い。

好都合なことは報告するが、不都合なことは隠してしまう

 小さな会社の場合、特に30代前半までくらいの社員は上司に報告をすることを苦手としている。正確に言えば、30~50代までの社員たちも、報告・連絡・相談をおろそかにしてきた傾向がある。「大企業が組織力で動くのに対し、小さな会社は個々がバラバラに動く」と言われるゆえんである。業績が伸び悩む大きな理由はここにあるのだが、ほとんどの小さな会社は個々の社員がバラバラに動くことを固く禁止したり、徹底して教育することで正そうとはしていない。それは、社長や役員がそのような風土や文化の中で数十年と生きてきたからだ。

 30代前半までくらいの社員が時々、思い出したかのように報告を上司にしたとしても、自分にとって不都合なことやマイナスになりうることは伝えない場合も少なからずある。私の観察では、相当に多い。実際、これはその社員の上司らと話すと、気がつくことだ。自分にとって好都合なことは報告するが、不都合なことは隠してしまう。だから、問題の真相がわからず、同じことが形を変えて繰り返される。本人の仕事をするうえでの間違った癖や考え方などは、いつまでも変わらない。それどころか、それが正しいと信じ込み、同じことを繰り返している。責任転嫁をすることも多々ある。仕事力のレベルは相変わらず、大企業の同世代の社員から遠くかけ離れたままになる。そのことを指摘する人は社内にはいない。つまり、伸び悩むべくして伸び悩む。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2019年6月14日(金) 発売

DIME最新号の特別付録は「メンズ美的ビューティーボックス」!  特集は「2019年上半期ヒット商品大研究」「NEW渋谷の全貌」etc.

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。