【誠品生活】ネット通販をはじめとするEC市場の拡大に対抗すべく、リアル店舗の再構築が急速に進行中。流通アナリストの渡辺広明さんによると、そのカギを握るのが〝VIP待遇〟と買い物の〝コト化〟だという。ひとりひとりの要望に合わせてきめ細やかな商品提案を行なうショッピングコンシェルジュの導入や魅力的な体験型イベント、多彩なワークショップなどがその一例。実際に店に足を運びたいと思わせるような〝価値ある体験〟を提供するリアル充実型の店舗は今後も増えていきそうだ。
あの蔦屋書店が範とした台湾発超人気店がオープン【誠品生活日本橋】
米・タイム誌が『アジアで最も優れた書店』と評した台湾の「誠品生活」が、2019年秋開業予定の「COREDO室町テラス」にオープンする。書籍を中心とした独自の売り場編集力に加え、毎年5000回以上開催する体験型イベントは、延べ2億人を動員し、常に新たなカルチャーを牽引する。日本第1号店でも年間を通じて多種多様なイベントを実施し、動きのある店舗を作っていくという。再開発で勢いを増す日本橋に、上質で文化の香り高い「滞在型リア充ショップ」が加わることで、人の流れも大きく変わりそうだ。
【私が予測します!】流通アナリスト 渡辺広明さん
同じ趣味志向の仲間が集まるワークショップのスタイルは、SNSを活用する人と相性がいいのです。こうした取り組みが、ますます拡大するでしょう。
誠品生活
長きにわたり、台湾文化発信の中心を担う。日本第1号店では、自慢の目利きで選んだ書籍に加え、文房具や雑貨、食まで含めたライフスタイル全般を網羅する。
※写真は、台湾の誠品生活信儀店。
●ワークショップを頻繁に開催
本格的なガラス工房を中心とする〝ワークショップゾーン〟は目玉のひとつ。買い物だけでなく、体験や学びを重視した構成で集客につなげる。
「COREDO室町テラス」
現在建設中の「日本橋室町三井タワー」、その低層階に開業する商業施設。約30の店舗には、国内外から一流の食やこだわりのモノが勢揃い。
取材・文/原口りう子