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【2020年以降の日本を語る】ものづくりの会社に必要なのは技術開示力!リンカーズ前田佳宏社長

2019.01.18

【リンカーズ前田佳宏社長】仕事中ふと「これは日本の国全体が抱える問題じゃ?」と思う瞬間はないだろうか。しかも現場を知る人間だからこそ、問題がクリアに見えてしまう……。各業界のオピニオンリーダーに「現場から見える未来へ提言」を語ってもらう企画、今回はニッポンのモノづくりに変革を起こす企業と目されるリンカーズ株式会社・前田佳宏社長(41)に話を聞いた。

講演に登壇する前田社長。日経BP社主催「日本イノベーター大賞2015」優秀賞、事業構想大学院大学主催「第1回 ニッポン事業構想大賞」受賞など、前田氏の事業は注目を集める。

リンカーズはその名の通り、企業と企業を「繋ぐ」企業だ。メーカーの開発現場では、日々「何百度を超える過酷な環境で使うこの素材とこの素材を接着剤でつなぎ合わせたい」といった難題が生まれる。そんなとき成否を分けるのは、実現できる発注先を知っているかどうか。ここで発注先を探すのがリンカーズだ。全国の自治体、商工会議所、経済連合会などと提携し、日本に約43万社あると言われる“ものづくり”の企業をリスト化。「このメーカーがこんな技術を持った発注先を探している」とリクエストを投げると、全国から「この会社ならやってくれるのでは」「うちならできる」といった回答が集まる仕組みをつくった。トヨタ自動車、パナソニックなど日本を支える大企業も利用するシステムを築いた前田氏には何が見えているのか。

中小企業こそ異業種連携を!

夏目 日本のものづくりに対して、どのような問題意識をお持ちですか?

前田 産業構造の激変に追随できていないと感じます。米国には、FANG、GAFA(Facebook、Amazon、Netflix、Google、Apple等の頭文字をとったワード)と呼ばれる巨大IT企業があり、今後は自動車、家電、医療機器など様々な分野で、これらの企業の製品がシェアを伸ばしていく可能性があります。

夏目 具体的に言えば、GoogleやAppleが自動車をつくる時代がくる、と。

前田 携帯電話の市場では、既に現実になっています。2000年代初頭に、まさかAppleが携帯電話市場の覇権を握ると考えていた方はいなかったはずです。しかしかつて携帯電話の世界シェアの約35%を持っていたモトローラは既にLenovoの傘下に編入されており、日本企業もこの市場から続々撤退しています。同じ状況が他業種にも波及していく可能性があると思うのです。

夏目 どのように対応すべきでしょうか?

前田 日本を代表する企業は、それぞれが戦略を練っていると思います。私がお話しできるのは、大企業の“系列”と言われる企業や、中小企業についてです。

夏目 では、その中小企業は……?

前田 私は、今こそ異業種の連携をしていくべきだと思っています。仮に自動車であれば、大メーカーにはティア1(一次請け)、ティア2(二次請け)の企業が存在し、系列を形づくってます。もっと小さな町工場もあります。そんな企業は今まで「この大企業に製品を納めていれば今後も安心」と言えたかもしれません。しかし今、産業構造は激変の兆しを見せていて、長年取引があった大企業からいつ「この部品、技術は必要ない」と言われても不思議ではない時代が来るはず。今後は、中小企業や、大企業の系列の企業が「当社のこの技術、貴社でも使えませんか?」と提案していくべきです。

夏目 具体的には?

前田 例えば、化粧品の製造で培った技術が炭素繊維の表面処理にも転用できたことがあります。

夏目 人の肌をすべすべにする技術が炭素繊維でも活きた、と?

前田 仰る通りです。化粧品の技術を転用して炭素繊維の表面を適切に処理することによって、炭素繊維の引張に対する強度が30%以上増え、複合材をつくったときに強度が上がった例があります。実際にこの企業は、これだけの技術力を持ちながら今まで1~2社にしかアプローチできずにいました。しかし我々が大企業にアプローチすると、今までに10社近くの面談を受け、取引のきっかけとなる繋がりが増えました。これと同じように「大手ゼネコンさんに供給していた部品・技術が自動車業界ではマフラーの製造に使える」「この技術シーズが実は食品プラント、発電設備、製紙業にも売れる」といったことがあるのです。

 今まで、当社は大企業から依頼を受け、これにマッチングする技術を持った全国各地の中小企業を紹介してきました。しかし今後は、中小企業の技術シーズを大企業に紹介することも重要なミッションだ、と考えています。

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