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2019.01.20

働き方改革関連法の施行によって加速する定年退職、定期採用、定期昇給の「定」がなくなる働き方

働き方改革関連法の施行を前に、過渡期を迎えている労働者を取り巻く環境。その中で、人と仕事の関係性は今後、どのように変化していくのだろうか?

今回、株式会社アイデムの研究部門「アイデム人と仕事研究所」・波多野雅彦氏による、「同一労働同一賃金」による働き方の変化、そして、近い将来、「定期採用」「定期昇給」「定年退職」から「定」が省かれるのではないか、といった“労働市場の今”を論じたコラムを紹介していく。

「同一労働同一賃金」で働き方が変わる?

本年4月1日より働き方改革関連法が順次施行される。次の3つ、(1)時間外労働の上限規制導入(大企業は2019年4月1日、中小企業は2020年4月1日施行)、(2)年次有給休暇の確実な取得(2019年4月1日施行)、(3)正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差禁止(2020年以降施行)は企業に大きな影響を及ぼすことは間違いない。

企業は「働かせ方」を、人は「働き方」を見直す機会にしたいところだ。

非正規労働者(パートタイム、契約、派遣など)の不合理な待遇を禁止する、いわゆる「同一労働同一賃金」(※)の導入は、「同一労働同一賃金」というキーワードが身近で使用され、その是非をめぐって議論できる環境になったことで、今後の日本の雇用をめぐる課題を考える上で大きな前進と言える。

※同一労働同一賃金とは、同じ仕事をしている人には同等の賃金を払うべきだというもので、欧州諸国に普及している考え方。日本では、雇用形態の違いによる賃金差別を是正する意味合いで使われることが多い。

これまで、非正規雇用労働者は、正規雇用労働者の雇用を優先するための「雇用の調整弁」という一面を担わされてきた。

「正規か、非正規か」という雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し、「同一労働同一賃金」の実現に向けた動きは、いまだに増加傾向にある非正規雇用労働者(図1)にとっては働き方が変わる可能性がある。

図1:厚生労働省【正規雇用と非正規雇用労働者の推移】

なかでも、特に増加傾向にあるのが65歳以上、パートタイマーのカテゴリー。すなわち、定年退職後に再雇用される高齢者の比率が高まっているのだ(図2)。

図2:厚生労働省【非正規雇用労働者の推移(年齢別)】

図3:厚生労働省【非正規雇用労働者の推移(雇用形態別)】

年を追うごとに増えつつある65歳以上、パートタイマーというカテゴリーは今後、本来の「同一労働同一賃金」を目指すとなると、個人の仕事能力に応じた待遇でないといけないはず。

しかし、現状は個人の仕事能力にかかわらず定年退職制度という「年齢による差別」で一律に処遇されてしまっているのだ。このことは、これまで多くの高名な学者が議論してきたことだが、現役で働き続けたいと考えている会社員にとっては切実な問題といえる。

もし定年退職と年金受給の時期に差が生じると、その間は「無年金・無収入」になる恐れがある。現在の平均寿命は男性81歳、女性87歳です。継続雇用の義務付けは現在65歳だが、昨年10月に70歳まで引き上げることで高齢者の就業機会の確保が検討されることになっている。

健康な働き手が増えることで、年金を収める人も増えますから、年金制度をより安定化させることにもつながるだろう。

「定期採用」「定期昇給」「定年退職」から「定」が省かれる?

定年退職制度とは、日本的人事慣行にのっとったものだ。いわば「新卒一括採用して正社員として雇用するかわりに、年功賃金等をベースに無限定な働き方をしてもらう。

そして、高齢で仕事能力が低下している人材には退職金という“後払い賃金”を支払い、一斉に退職してもらう」ということ。一般的に定年退職後に再雇用された場合、定年前と同じ業務であったとしても賃金水準が下がるが、不合理な労働条件の差はないという向きがある。

しかし、本来の「同一労働同一賃金」を実現するには、こうした慣行を見直し、定期採用(新卒一括採用)、定期昇給、定年退職制度がなくても問題がない働き方にすることも現実問題として検討することが必要になってくるのではないだろうか。

いわゆる「定める」の「定」という字を省いた、通年採用、仕事に応じた給与、年齢に拘らない働き方は、多様な人材が活躍するための条件となり得るかもしれない。

『多様な働き方の進展と人材マネジメントの在り方に関する調査(H30.9.11独立行政法人労働政策研究・研修機構)』の企業調査によれば、多様な働き方を推進している企業で、将来的な採用意欲について「60歳以上の高齢社員」が72.7%、「女性社員」が68.8%、「高度外国人社員」が27.6%となっている。

企業側としても、いかに「60歳以上の高齢社員」の活躍を期待しているかが伺えます。あわせて「人生100年時代」を見据えたリカレント教育(仕事に役立てる学び直し)や、本業に結びつけるための社外活動という意味でのパラレルキャリアの実行性について検討することは、将来の雇用を考える上で有益なのではないだろうか。

波多野雅彦(はたのまさひこ)

 

アイデム人と仕事研究所 教育・研修企画担当 キャリアコンサルタント(国家資格) 大学卒業後、大手ゼネコンにて国内外建設プロジェクトの施工管理に従事。経営学修士号取得後、経営コンサルティング会社にて、経営体質改善・人材育成支援業務に携わる。現在、アイデム人と仕事研究所にて、教育・研修を通してお客様が目指す会社づくり、人づくりにお役に立てることを目指して日々業務に取り組んでいる。

出典元:株式会社アイデム

構成/こじへい

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