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2019.01.11

中国でのiPhone販売差し止め問題の真相は「アップルvsクアルコム」

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回はファーウェイ問題について議論します。

ファーウェイのCFO逮捕が日本にも影響する可能性

房野氏:カナダでファーウェイの副会長兼最高財務責任者(CFO)が逮捕されたり、中国で一部iPhoneの販売が禁止されたりと、中国とアメリカの間がざわざわしていますが、どう見ていますか?

房野氏

石川氏:ファーウェイの副会長は、経済制裁を受けているイランと金融取引の疑惑があったということでカナダで捕まりました。これまでずっと、ファーウェイの基地局というかネットワーク機器は危険なんじゃないか、個人情報が流出しているんじゃないかと言われてきたけれど、それを証明することができなかった。という状況での次の策というか、それ以外の違法行為をほじくり出してファーウェイを攻撃したという感じがすごくしています。この件は業界的にはインパクトが大きくて、もし副会長が有罪になって、さらに制裁で今年のZTEみたいになると、ファーウェイとアメリカ企業は取引停止になる。アメリカ企業と取引できなくなると、Androidスマホが作れなくなる。アップデートもかけられなくなる。と考えると、日本のユーザーにも影響が出てくるのかなと。ファーウェイのスマホは持っていないから関係ないと思っている人も、実はルーターがファーウェイ製だったり、ドコモの「dtab」がファーウェイ製だったりして、実はそうじゃないんだよってこともある。

ドコモの「dtab」

 あともう1つ、日本に影響がありそうなのがメーカー。部材メーカー。先日、ファーウェイのゴハさん(ファーウェイデバイス 日本・韓国リージョンプレジデントの呉波氏)に取材して聞きましたけど、年間60億ドル、ファーウェイは日本企業から部材を買っているんだそうです。6000億円とか7000億円くらい。当然、ソニーのカメラとかセンサーとかいろいろある。ファーウェイは世界で第2位のスマホのシェアを持って売っていて、日本のメーカーも相当その恩恵を受けている。もしファーウェイがスマホを売れなくなってしまうと、日本メーカーにとっても悪影響となることがあるので、中国とアメリカの間だけに止まらない話でもあるんです。日本にも大きな影響があるということは、あまり知られていないように思います。

石川氏

石野氏:副会長の逮捕は、完全に別件逮捕ですよね。トランプ大統領が、貿易問題が進展するなら、この問題に介入する考えとかいうニュースが出ていて、完全に別件逮捕だと。

石野氏

法林氏:中国でもカナダ人が捕まったよね。カナダの政府出身で、シンクタンクに勤めている人が。

法林氏

石野氏:スパイ容疑か。報復逮捕ですよね。

法林氏:完全に報復逮捕だよね。この問題って、石川君が端末まで含めて話してくれたけど……昔あった東芝ココム事件とか、知ってる?

石野氏:あー。

法林氏:輸出しちゃいけない国に、コンピュータを持っていった。輸出しちゃいけないところって冷戦時代にあったわけで、取引してはいけない国と取引しちゃいました、みたいな話。時代は違うけど、今回のCFOの一件はそれと同じ。それが本当だったら、今の国連の動きだと、まぁ、よくないよねって話だし、それってもちろん、今の北朝鮮の話も絡んでいる。あそこに何かを持っていった、海上で燃料を給油したりとかいうことが話題になっているけど、同じこと。それは、取り決めを守らなかったとしたら、本当にダメだと思う。その話が1つ。これはまぁ、仕方がない。

 ファーウェイのネットワーク機器の件の方は、いろいろニュースでは「ファーウェイを排除」という表現で語られているんだけど、言われているのはネットワーク機器じゃないですか。端末の話は少しも挙がっていないわけですよ。ファーウェイのネットワーク機器をコアネットワークに導入している大手キャリアは、日本だとソフトバンクだけ。他の2社は関係ない。ソフトバンクは、ファーウェイの通信機器を使っちゃダメと国に言われるわ、エリクソンはネットワークをダウンさせるわで、大変ですよ。

石野氏:じゃあ、どこの設備を使えばいいんだよって。しかも、ソフトバンクに関しては、4Gの設備をそのままアップデートできるような形にしているということだけど、あそこで言われていた「プレ5G」の技術も中国ベンダーのもの。ファーウェイは5Gの技術的に先行しているところがある。Massive MIMOも先に導入していましたし。5GはTD-LTEがベースになっているところもあって、TD-LTEは中国で作られた通信規格なので、そこでファーウェイが抜けちゃうのは痛いですよね。

法林氏:結構つらい。

石川氏:タイミングがヤバくない?

法林氏:株式公開のタイミングだった。業績にも非常につらいことになった。別に設備投資がまたかかるので、痛い。

石野氏:既存設備も全て置き換えるとなったら、それ、いくらかかるのってことですよ。(ソフトバンクのCTO(最高技術責任者)で副社長の宮川潤一氏によると「交換費用は数億円の前半」)

法林氏:政府は使うなと言っている。別に「ファーウェイを使うな」ではなくて、信頼できるところを使いなさいという表現なんだけど。基地局レベルでそういう話が出てくるのって、割と近年の話なんです。ケータイ時代の人たちはみんな知っているけれど、政府関係者は、BlackBerryのような端末は別としても、海外の端末を業務で使うことはなかった。もちろんモノがなかったせいもあったけど、「できればNECとかパナソニックとか、国産メーカー製品を使ってくださいね」という表現を遠回しにしていた。これはパソコンしかり、ケータイしかり、初期のスマホしかり。初期のスマホも、個人端末としてはアリだけど、省庁の中で使うものとしては、海外製品はあまり好まれていなかった。ところが近年になって、日本メーカー製の端末がなくなってきた。いってしまえば、シャープ、富士通、京セラくらい。パナソニック、NECがいなくなり、ソニーはどちらかというとコンシューマ寄り。そうすると選べるのは3社くらい。別にファーウェイを貶めるつもりはないけれど、日本の総理大臣がファーウェイの端末でトランプ大統領と電話したら、そりゃあ……って話になる。そこは昔から暗黙のルールがあった。それを今更のように「ファーウェイを排除」とか書いているテレビとか新聞がバカなだけの話。

石川氏:「政府調達からファーウェイを外す」って、元々ファーウェイの製品は調達されていないし。

法林氏:そういうことを知らないで報道している新聞やテレビが多すぎて、アホかと。勉強しなさすぎ。

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